Neetel Inside ベータマガジン
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ミシュガルド生物把握日誌
単眼有翼種【パタメン】

「いつからそこにいたんだ?」

気づいた時にはその存在は空を浮遊しており
こちらを監視しながら凝視してくる
目が合った墓荒らしの一人が
途端に固まってしまって動かない
これは危険だ、目を持つ生物によっては
相手を凝視することで脳を支配し
精神感応で攻めてくることがある

「隊長、攻撃の許可を」

目深にかぶった魔法帽の魔法使いが
パタメンに向けて杖を掲げる

「うちおとせ! あの魔眼を採取する!」
「了解!」

魔法使いの詠唱があたりに響くと
とたんに魔法の矢が焦点具たる杖より
放たれてパタメンを射貫き落とした!

「ふむ、墓荒らしどもは助かったようだ、
 なんにしてもこいつの目は役に立ちそうだ」

精神に影響を及ぼすほどの目を持つとなると、
それは逆に言えば狂気を見つめさせるための、
焦点具として用いれるということだ。

魔法使いはすぐさま特殊な溶液を、
パタメンの眼球に垂らすと、
眼球はうるおいを保ちつつ結晶化したようになり
百年樹から削り出した杖の先端に取り付けられた。

「これは私達の目となり
 冒険を助けてくれることでしょう
 凝視の魔眼に対抗する手立てになります」

我々は狂気に対抗する眼を得て、
安定した冒険が約束されたと、
引き連れた獣の肉を皆で取り分けて、
焚火で暖をとった。

       

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