Neetel Inside ベータマガジン
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単眼種族、友好的とされるモノアイクロプスの住処へと
メフエと名乗る単眼種族の女が導く、メフエの単眼が輝く時
ふと出会った当初につぶやいた魔眼に関しての事を
思い出す、魔法使いはとっさに魔眼の杖でメフエのまなざしを
魔力による介入で中和できるか試すが。

「あら? 疑いのまなざしを
 感じるわね、でも安心して
 ここでは別に魔眼を使う理由は無いわ
 あなたにもわたしにもね」

油断ならない、隊長は?

「そのまなざしこそがミシュガルドで
 何物にも代えがたい宝ですよ!
 いやあ、メフエさんのお仲間さんたちに
 出会えることが楽しみです」

油断しきってる!
そして何より問題なのは、
今、メフエの魔眼にぎりぎり対抗できるのが、
現行メンバーで、
私以外いないこと、メフエは自分からは言わないが、
相当な魔法の使い手だ、それが生きた魔眼を持ち、
術を行使したならば、魅了どころか、
こちらを全員、支配してしまうだろう。

それだけ魔眼による凝視と魔法の組み合わせは、
魔法使いにとって、
異端視される力があるのだ。

「それにしても、あなたたちは、
 ここまで立ち入るのによく
 こんな少人数でなんの後ろ盾もなく
 来れたものね、まあ、
 鳥と豚とかげをものにしてしまうのだから
 ここまでの健闘は、
 分からなくもないのだけどね」

道中、隊はメフエの言葉に巧みに操られるように、
危険からは遠ざかるように、
足なれた運びで日が暮れるまでに、
かなりの行程を稼ぐことが出来た。

「いやあさすが現地の人は、
 旅慣れたものです!
 道中、補給も出来ましたし、
 何より有用な植物に関しての知識、
 感服いたしました、メフエさん!」

「あらあら隊長さん、
 そんなに感心ばかりなさってたら、
 わたしの村についた時、帰りたくなくなって
 しまいますわよ、ねえ、魔法使いさん?」

モノアイクロプスはメフエは、
その単眼を包むまぶたで笑みを作って見せた。

願わくばそれが狂気のまなざしとなって、
私達に降りかからなければよいのだけれど。

荷運びは足を楽にして、戦士たちは武器を置き、
墓荒らしを生業にするものはこれから手に入る宝の値踏み、
甲冑を脱いだ自由騎士、槍の手入ればかりする傭兵、
狙撃主として腕を慣らす隊長、
みな何故か深い眠りに落ちてしまったようで、
夜を長く感じたのは私だけだろうか?

       

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