メイジの転生録

タイトル :メイジの転生録
作者名  :unbreaktell
ttp://www.geocities.jp/vipkohaku2015/entry31.html


これはプレイしていない人に対する発言なのだが、感想を読むより先に上記のサイトを見て頂きたい。



どうだろうか。
エッジの効いた画風に、顔の半分が影に覆われた登場人物。
そして出会い頭に前世覚醒することを三回連続で促される説明文…
なんだかわからないがとにかくすごい『圧』を感じはしなかっただろうか。
それこそが運命の旋律だ。覚えておくといい。

さて、前回に引き続き今回紹介する作品もまたシリーズ作…
それも、『天使のうつわ』『おばけと魔法と』の関係と比べて、もっと直接的な続き物になっている。
メイジの転生録は、メイジシリーズと称される作品群の三作目である。
一作目の『メイジの悲劇嘆』、二作目の『メイジの因果録』と続いて、現時点で最新作だ。
悲劇嘆から順を追って解説しよう。
『世界が混沌の闇の運命に包まれ全ての命が滅び、さらにそれが次元を超え宇宙の大滅亡をおこそうとしています
 この星に満ちている魔道…希望の力【Mage】が悪しき者たちの手によって絶望…【Night】の力に変えられていく…
 どうか… この星を… いえ… この次元を… 救ってください…
 あなたは【黒のメイジ】…次元の狭間に夢を描く…【黒のメイジ】…』
って世界(惑星)が親切丁寧に説明してくれる通り、主人公は黒のメイジ、リディオ。
開口一番に「どうやら俺はこの世界に運命救済者として招かれたようだな。」と独り言を呟くえらく物分かりの良い青年だ。
彼はメイジのカルレインとブルー、そしてナイトのラクティオハを仲間に加え共に運命を救う旅に出る…と言った話。
絶望の力=Nightって言われたわけなんだけどこの世界の騎士(誰がなんと言おうと騎士はNIGHTである)は別に悪者でも何でもないというかどちらかと言うとメイジの方が闇堕ちしてるの多い気がするぞ!

次に因果禄。
古城に一人住んでいた少年ブラネェドは「ふう、今日もいい天気だなあ…俺の庭園はいつも通り美しい。見ろ、この咲き乱れる命の数々を…」
と尊大な独り言を零していたところ謎のアサッシンにして創生の時より続く管理者の血、異邦人ギガンテッドに襲われる。
こいつはすぐ死ぬし別に重要キャラじゃないから覚えなくてもいいぞ。インパクトがでかいから嫌でも覚えるだろうけど。
直後現れるブルー。彼から両親…リディオとカルレインの(馴れ初めにしてロマンの)話を聞いたブラネェドは個性豊かで情緒不安定気味な仲間と共に運命を変える旅に出る…と言った話。
ブラネェドとゾレルマラードの切れ味が強すぎる口論と言い、瞬間的爆発力が一番大きいのはこの作品だと思う。
物語も割と終盤の方になって「正直お前には死んで欲しい」と真顔で言ってくる仲間初めて見たよ! そこまで好感度低い仲間ってそうそういないだろ!!
【ボディケア絢爛ワルツで味方を回復させる】ゾレルマラードとか執拗にボコられるラクティオハ、そして説明の一切ないメイジ殺しモードなど因果禄も語ればキリがないが今回は転生録の話であるのでここらで止めておく。

転生録は前二作とは変わって時代は現代、日本(っぽいどこか)。
家もなく、学校にも行かなければ働いているわけでもない少年リヒトは河原にて自らをメイジと名乗る謎の男、ブラウに襲撃される。
突然の稲妻、“気丈螺旋”、川原に運命的に落ちていた石。
「ヒャヘハハハハ!!! どうしたオラァ、運命見せてみろよォン!!」
その場に居合わせる事。運命、宿命、因果応報、一期一会。
そこに立つ事、それ即ち
CLOSS FAIT BATTLE--
絶体絶命の窮地。今まさにリヒトの運命が途絶えようとしていたその時、彼の内に宿っていた前世の力が覚醒する――!!!
と言った話。わかんない? 大丈夫普通はわかんない。
破壊のメイジ、ブラウ。二重運命“DOUBLE FAIT”のレイネ。狂いメイジのラド。99位の騎士、エクスハティオ。“絶対者”ヱドロ。四天王、宿命元老院…
もはや一つ一つツッコミどころを探すのも疲れる高濃度なメイジ語を喋るメイジとナイト語を喋るナイトだらけのメイジ展開で進行していく話は、決して王道から逸れることはない。
一見奇怪なゲームに見えてその実正真正銘奇怪なゲームではあるが、デフォ戦をベースとしながらも相手の行動を観察、戦闘を有利に運び【雑魚などは瞬殺】できるようになるなど†CLOSS FAIT BATTLE†はくどそうに見えてテンポがよく、演出的にも映える。
と言うかこのゲームはエキセントリックな見た目に反して【しっかりと作り込まれている】。前二作からフィールドマップを廃し、ノベルパートと探索要素のないエンター進行ダンジョンは無駄がなく、RPGの美味しいところを取っている感じがしてプレイが快適だ。
キャラクターもあれ…なんか…可愛いぞこの娘!? ってなるチヅルや、独特の英語混じりで話すフランス語教師と言う【お前前世からどうしてそんななっちゃったんだよ】って騎士をはじめとして(メイジの例によってぶっとんでいながらも)魅力的。
『因果運命/歪曲の調律者であるメイジ』と言うクール系キャラっぽい肩書きから出てくるのは「FAIT」って書かれたハチマキを巻いてバイクに跨って絶叫しながらチェーンソーみたいな得物、凶剣ガドリグゼラムを振り回すという歩く厄ネタ、ヱドロさんだ!
強すぎるんだよ!!! 実際の戦闘力もキャラ立ちも!!!!!

時代こそ一新したものの過去二作の出来事は各キャラクターの【前世】として反映されており、悲劇も、そして因果も全て内包している。
シナリオ、グラフィック、システム、そして何より【ネタ的な意味でなくセンスが抜きんでてないと作れない】演出力。一作ごとに着実に進化していくので、快適かつキャッチーな転生録から薦める人もいるが俺としては是非とも悲劇嘆からプレイしてほしいところだ。
プレイ時間も全て一時間~三、四時間程度。休日一日で全部プレイできるはずだ。
そして、転生録をクリアして余韻に浸っているところで悪いが、是非とも現在開発中であるメイジの百騎録の【正真正銘クソかっこいいエクスハティオ先生】の戦闘動画をYoutubeで見て頂きたい。
unbreaktell氏のメイジ先進力は留まることを知らないと思い知るだろうよ。










そんな感じ。