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超人類の憂鬱

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タイトル :超人類の憂鬱
作者名  :あず
ttps://www.freem.ne.jp/win/game/11207

このゲームのジャンルはRPGだ。
どんなRPGか一言で言うと、ガングレイヴである。
「は?」と思ったかも知れないが後で説明するのでまぁ流してくれ。

さて、超人類の憂鬱。
話としては、人智を超越した力を持つ…まさに『超人類』である魔法少女達が多数存在している世界。
主人公のココアも魔法少女の協会のエースの一人として働いているが、あるミッションでうっかり【破壊対象である工場の半径30㎞を特製爆弾で焦土にして粉塵が成層圏にまで達したことで地球を寒冷化】させちゃったため処分を受け、新人教育をさせられることに。
【親近感を持ってもらうため遺伝子組み換えしたおかげで】ココアに外見が酷似した新人、フタバ。ココアと共に任務をこなしていく内に成長していくも、ある時フタバが悪徳業者に攫われてしまう。
助けに行こうとするココア。だが協会は一度攫われた魔法少女に何が仕掛けられているかわからず信用できない、として見捨てる決定を下した。納得できないココアは一人協会を離れ救出に向かう…って話。一応言っておくけどエロ要素はないぞ。
上の概要からわかるように結構世界観とか倫理観とかが我々地球上の一般人のそれからかけ離れている気がするが、全然大丈夫だ。何も問題ない。
実際プレイしたら【それどころじゃなくなる】から。

戦闘は至って普通のシンボルエンカウント制。
魔法少女それぞれに「物理攻撃を受けると77%の確率でカウンター」など固有能力があることや装備品に頭のネジがあったりすることを除けば、システムそのものは概ね普通のRPGである。
では何がおかしいのかと言われると、【それ以外のだいたい全部】。
まず起動した時点でやたらガシーンボカーンドゥーンみたいな感じで【エフェクトが(視覚的にも)うるさい】のでなんかヤバそうなゲームの匂いがひしひしと伝わってくるだろう。画面めっちゃ揺れるぞ。
んで最初のミッションからして『上空2万センチに浮かぶ毛髪育成剤工場を爆破するために立てこもる工場長をブチのめして強制退避させろ』などというものである。
そこらへんにいる熊のぬいぐるみ(くまさん)に話しかけるとチュートリアルと言うか丁寧にシステムを説明してくれるんだけど、教えてくれるのは「灰色のくまさんを破壊すると星屑くまさんが溜まって装備と交換できる」などと言いたいことはわかるがなんでそんなシステムになったのかよくわからない事柄。
「通行の邪魔だしガンガン破壊して進むといいよ」ってお前グリズリーになんか恨みでもあんの?
なんかプチ浮遊大陸みたいなのに乗ってるくまさんは解説くまさん曰く宝箱。
下に潜り込んでジャンプして破壊することでアイテムがゲットできるよ…ってそれはいいんだけど爆発して残った骨を調べると【くまさんの残りカス(換金アイテム)】とか手に入るぞ。そんなん持ち歩きたくねぇよ!!
そんな感じでくまさんと敵をかきわけながら進み、ボスとエフェクトマシマシドッカンバトルを繰り広げる…わけなんだけど、
まぁーヤバいのは【マップ】。このゲームはマップが一番ヤバい。
背景では怪しげな薬が揺れていたりなんか全然関係なさそうなゲームの宣伝? があったり、階段を上がったつもりが回転しながらぶっ飛んだと思えば壁を突き抜けて移動したり、くまさん(移動手段)にはぶっ飛ばされたり、【すげー存在感あるけど別に接触したところでイベントもキャラクターに影響も一切ないただの賑やかし影忍者】が跳梁跋扈しようよ! とばかりにその辺を飛び回ってたりする。こんなん一例に過ぎないぞ。
って言うかマップに関しては本当【何食ってたらそんなん思い浮かぶの…】って構成やらギミックやらが数十個くらいポンポン出てくるからいっぺんにやると脳がショートしかねない。
文章ではヤバさは1%も伝わらないだろうが、とにかく異常なことは伝わったと思う。
【アッパー系のドラッグとか】キメたらこんなガンギマリゲーができるんじゃないかなーって思われがちだが、ただのジャンキーにこんな独創的にしてダイナミックかつ緻密…緻密? なマップギミックは搭載できない。
作者は間違いなく超優秀なジャンキーだ。
間違えた。超優秀なツクラーだ。
勝手に作者の方をヤク中呼ばわりしてしまったのは申し訳ないが、少なくともプレイヤーはいい感じにグルーヴィーな世界(オブラート表現)を体感できることだろう。

でだ。
先ほどこのゲームをガングレイヴと称した理由についてだが…
ガングレイヴと言う【ゲーム】は簡単に説明すると銃を無限に撃ちまくれる爽快アクションなんだけど、原作者の内藤先生曰く
『酔っ払いサラリーマンがゲラゲラ笑いながら寝る前の10分間を楽しむ姿を念頭において作りました』といった作品。アニメはアニメでまた違うんだけどね。
超人類の憂鬱も、たぶんそんなゲームだと思う。
熱量の高い展開、鼻血、んなアホなってエフェクト、絶叫鼻血、サクサクオート戦闘、絶叫爆発鼻血、そして無茶苦茶にも程があるマップとギミック。
それらをドン引きするよりも酒を飲んでバカ笑いしながら楽しむ…そんな楽しみ方をするなら、このゲーム以上にガングレイヴなゲームはそうそうない。
とは言え仮にもRPG。基本そこまで難しいゲームではないが、あまりに泥酔しすぎると複雑(に見える)マップやボスで詰まることがあるかもしれない。
マップで詰まる事はあまりないにしてもボス相手に負けたり、レベル上げやお金稼ぎに時間をかけるとテンションが下がりかねないので、【チートアイテム】は気軽に使ってしまって構わない。
フィールドをぶっ飛ばされながら走破し、雑魚をオート戦闘でねじ伏せ、ボスをドーピングで叩きのめし大爆発。
ゲームなんてそれでいいんだよ!!!

超人類の憂鬱は仕事で嫌な事があった夜にプレイし、
「はー笑い疲れた。今日はもう寝て明日も一日頑張ろう」
そんな気持ちにさせてくれる、優しいゲームなのかもしれない。


って上手くまとめられたらいいんだけど、たぶん普通に違うと思う。







そんな感じ。

       

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