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DLsiteとは関係ないフリーゲームの話
らんだむダンジョン

タイトル :らんだむダンジョン
作者名  :はむすた
ttps://www.vector.co.jp/soft/winnt/game/se482804.html


らんだむダンジョンと言う作品の、一番の売りはなんだろうか。
個性豊かなキャラクター? ドタバタギャグの中に光るシリアス展開?
深くダンジョンを潜り続けて強くなるハクスラ要素?

それもある。
が、俺の答えは違う。













10年代…特に初頭のフリーゲーマーでらんだむダンジョンの名を知らない者はいないだろう。
フリゲのおすすめを聞かれたら即らんダンが飛んでくる、そんな時期が確かに存在した。
それほど、当時のユーザーにおいてらんだむダンジョンと言うゲームは衝撃的、もしくは革命的だった。
素材はほとんどツクールVXのRTPとフリー素材。しかしてその内容はライトにしてディープ。
軽いノリのコメディ展開に促されてダンジョンの奥深くに探索し、強い武器や防具を見つけ、また潜る。
女子四人パーティーで進む道中には、手強いボスと乗り越えるべき精神の試練が待ち受ける。
そしていつしか、彼女たちは世界を揺るがす災厄に対峙することになってゆく……。
気が付けばプレイ時間は100時間200時間。裏面も併せれば恐らく四桁時間もプレイしたユーザーも一人二人ではないだろう。
そんな熱狂的なファンを生み出したはむすた氏は次作「ざくざくアクターズ」をリリースし、大好評を博す。
その人気は前作を上回る程であり、数多くのファンアートが生まれ、コラボカフェが開催する程であった。
…あったのだが、俺はざくざくアクターズと言うゲーム自体は面白かったとは思うものの、どこか物足りなさを感じて表面クリアで止まってしまった。
ボリュームは確かに大きい。はむすた氏の絵が動き回る戦闘も見事だし、(四人がいいよぉと言う俺の好みを除けば)八人パーティー制は確実に戦闘の戦略性を増している。
俺はこのゲームがらんダンに比べて個人的に微妙だと思った理由を、初回で【キャラが多すぎるからではないか】と自己分析した。
改めて考えると……それは一番の理由ではない。なかった。

先述した、らんだむダンジョンの【一番の売り】の話がここで出てくる。
らんダンの一番の売りは…俺が思うに、キャラでもなければシナリオでもシステムでもない。
【テキスト】だ。
シナリオでもないのにテキスト……? と思われた方もいるかもしれないが……プレイした人なら、おおよそ見当は付いただろう。






【アイテムの解説文】だ。


らんダンは、これだった。これが全てだった。
他の人がどーだかは知らないが、俺にとってはこれが最大のキモだった。




プレイしていない人向けに、簡潔に解説しよう。
らんダンのアイテムには、【全て】アイテム解説文が付いている。
選択した時上に表示される一行文ではない。
別テキストとして表示される、アイテムの効果、成り立ち、使い勝手……等の解説文章が、アイテムそれぞれに用意されている。
誰が書いているかと言えば、【主人公】である。
四人娘のリーダー格、ぷに腕脳筋女ことアナンタさんなのだ。
アタッカーにしてディフェンダー、攻も守も己の身体一つでこなすガッチガチの前衛職。
パーティーの中ではツッコミもこなすものの、どちらかと言うと脳筋的なボケをかます事が多く、主人公らしい閃きや決断力、意思の強さはあるものの、頭がいいかと言われると良くない部類に入るタイプのキャラだ。
それが、図鑑解説文を書いているのだ。
【アイテム武器防具の合計で500種類を超える】解説文を、全部こいつが書いている(ごく一部例外あり)と言う設定なのだ。
誰が作って……もしくは、誰が落として、元々誰の物で。
誰が装備できて、どう使って、その結果どうなって、どう思ったか。
ごく普通のアイテムに真面目に文を書いている事もあれば、大根などのネタ武器に図鑑でツッコミを入れていることも多々。
どこまで詳細に書いてあるかはそれぞれ違えど、少なくともちゃんと『アイテム図鑑』として見られるレベルになっている。
これだけでこのゲームを作った作者が凄いと言う事と、アナンタと言うキャラの凄みがわかる。
何よりこの説明文……【このゲームの世界観と密接に繋がっている】のが大きい。
敵を倒してドロップしたアイテムにその敵の事が書いてあるのは当然として、
「この防具は〇〇って神様が使ってたんだって」などと軽く話に出したキャラが、
【後々敵やキーキャラクターとして先に図鑑に名前だけ出てくる】事もある。
図鑑解説文が伏線や、世界観の補完になっているのだ。
これがハクスラと言う【アイテムや武器を集めて更に奥に進み新たなアイテムを見つける】システムにガチリと噛み合う。
【アイテム集めの楽しさ】において、このゲームの右に出るものはないだろう。

敵図鑑ならもち作品。アイテム図鑑なららんダン。
RPGの図鑑オタクである俺がベスト図鑑をフリゲで選ぶなら、この二作品だろう。
商業でアイテム図鑑に面白さを求める奴はシャドハをプレイしろ(脱線)

そういうわけで……ざくアクにおいてアイテム図鑑が大幅縮小されていたのを見た時、俺は落胆を禁じ得なかった。そうだったな……思えば物足りなさの根底はアイテム図鑑だった。
キャラ絵まで自作したざくアクのボリューム、作業量はらんダンと桁違いだったであろう。
アイテム図鑑の説明文が一行解説のみになるのも致し方あるまい。それを含めて評価に値する作品なのは間違いない。




だが。
だがな。
俺が求めていたものとは決定的に違った。
それだけの話だ。








そんな感じ。
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