Neetel Inside ニートノベル
表紙

インターネット変態小説家
パラボラアンテナ

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僕の住む街にはアンテナが立っている。
大きな塔の先端に3つ付いている、凹型のアンテナ。
それぞれの反射器がまたそれぞれの方向を向いていて、恐らく全方位
あらゆる方向に電波を飛ばしている。

昔は、あんなのなかったはずだけどな。
あの塔はいつ建てられたんだろう。
記憶がない。
思い出そうとすると昔から立っていたような気がしてきてだんだんどうでもよくなった。

僕は学生だ。取り立てて何かがあるわけじゃない所謂普通の高校生だ。
本当に普通なのでこれから安いラノベのような展開はない。
家の外に出ると女の子が待っていた。
誰だ?……ああそうだ。幼馴染の、名前は、
彼女は大きなリボンを頭につけていた。
白い生地に真っ青な水玉は毒々しく、またはカルピスのあのデザインのように写った。

こちらを見て笑った。可愛いなと思う。
幼馴染なのに今更そんなこと思うかなぁと考えていたらだんだん最近意識し始めたような気がしてきた。

朝は彼女と登校した。学校では同じクラスで隣の席だった。友達とも楽しく話している。まるで最初からいたように。いや最初からいたはずだよな。幼馴染なんだから。
こちらがじっと見つめていると話しかけてきた。
ホームルームが始まるまで友達も交え、一緒に昨日あったドラマの話などをした。
授業を受けた。彼女は蛍光ペンをたくさん持っていて、机の端に筆箱を置いて一緒に使わせてくれた。数学の授業中、僕が当てられた時そっと答えを教えてくれた。
昼休みは一緒にご飯を食べた。弁当は彼女が作ったらしい。母親にもらった分は無くなっていた。いや、母親にはもらわなかったな。
彼女の作ったお弁当はキャラ弁のように凝った感じではないものの細かい部分の装飾を可愛く作ってあり楽しく食べられた。味も抜群だ。
恐らく出来合いの惣菜なんて一品も無く、全て手作りなのだろう。食べ終わった後はそのまま彼女と一緒に過ごした。

午後の授業も終わり、一緒に帰ることになった。
帰りには本屋に寄った。
近所の本屋はショッピングセンターの中にあり、本を見た後はカフェでお茶をした。
まるでもう付き合ってるようだった。制服でデートするのは憧れだったので嬉しかった。いや、もう付き合ってるんだっけ?
憧れていたのもいつのことだったのか忘れたので気にしないことにした。

家に帰ってきた。家ではテレビを見たり友達とSNSで会話したり買ってきた漫画を読んだり少し勉強したりして過ごしていた。
そうこうしているとすぐに夜になったので
ある程度夜更かしするとすぐに寝た。
明日も学校があるからだ。……学校って何だ?
高校だ。僕は取り立てて何もない普通の高校生だ。普通の高校生?ライトノベルのようにはならない。どんなライトノベルだ?ライトノベルって何だ?
何かが引っかかる。彼女は誰だ…名前は
水玉模様。カルピスみたいな。大きなリボン。カルピスって何だ?
僕は誰だ?僕は普通の高校生。
ここはどこだ?僕の地元で大きな塔が立って
塔って何だ?大きなアンテナの塔はいつ建てられたのか僕が生まれる前にはあったはず。
大きな塔。あのアンテナは何の電波を電波って何だ?あの塔は。なんだ?女の子。
僕はなんだ?何故こんなところで寝ている?

僕は普通の高校生。明日は学校なので水玉は普通の取り立てて何もないライトノベルの僕は彼女は塔はアンテナはなんの電波をここはこの街は昔から僕が生まれる前から僕はいつからあの塔のことを気にしだしたのだ。気にするってなんだ?寝なくちゃ明日は学校が
学校ってなんだ?あのアンテナはいやあの塔は僕が生まれる前は建ってないはずだ。どっちだあの女の子は学校は僕はどっちだ?
寝なくちゃ僕は水玉の女の子に制服のまま気づかないうちにアンテナを建てたのは学校の塔に友達も交えて普通のライトノベルを買った後SNSでたくさん使わせてくれた話などをそっと教えてくれた幼馴染はかわいく作ってあり楽しく食べられたショッピングモールで真っ青なドラマの話って何だ?
ここは僕は彼女は学校は塔はアンテナは

寝なきゃ。

朝になっていた。
身支度を済ませ家を出る。ふと周りを見ても塔なんてなかった。アンテナもなかった。
いつから無いんだろう。最初からなかった気がする。
当たり前だ。僕は普通の高校生なのだから。
家の前には女の子が立っていた。
誰だ?、ああそうだ。幼馴染の…名前は
彼女は大きなリボンを頭につけていた。
白い生地に真っ青な水玉だ。カルピスみたいな。カルピスって何だ?
こちらを見て笑った。可愛いと思う。
幼馴染なのに今更そんなこと思うかなぁと考えてたらだんだん前にも考えたような気がしてきた。

いや……おかしい。そうだ何もかもおかしいぞ、
幼馴染なんていなかったはずだ。僕は普通の高校生。安いラノベのような展開はない。何故今まで気付かなかったのだ。あの子は何だ?なんでこんなことになっているんだ?
昨日の夢は?疑問は、謎は?あの塔ができてから……そうだ、僕が生まれたときにこの町にあんな塔は立ってなかったはずだ。
気付いたらいつの間にかあの塔があったんだ。なぜ忘れていたんだろう。
もしかしたら全部あの電波のせいかもしれない。あのパラボラアンテナから出る電波が脳に影響を及ぼしてこんな……電波って何だ?
ほらあの塔の先についたアンテナから出る……


塔って何だ?

       

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