Neetel Inside ニートノベル
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ニートだけどパーティを追い出された
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「イチロウ、お前今日でクビな。さっさとこのパーティーを出て行ってくれ」

 いつもの酒場に呼び出され、パーティーリーダーのマサヨシから告げられた言葉に、俺は唖然とするしかなかった。

「ま、待ってくれ、なんで俺がクビなんだ?」

 俺のジョブはニート、世間では役立たずのごく潰しの職業だと疎まれていたが、それは周囲の人間が見る目がないだけであって、俺は俺なりに一生懸命頑張っているつもりだった。

「戦闘に参加するわけでもなし、皆の荷物を背負うでもなし、いつかジョブチェンジするって言っておきながらジョブチェンジする気もなし、役に立たないどころか負担ばっかし増やしやがって、もううんざりなんだよこっちは!」

「い、いや、ジョブチェンジする気は満々なんだ、だけど俺に合うジョブが無くて……」

「ジョブを選り好みできる立場なのかお前? いい加減にしろよ?」

 いい加減にしろって言いたいのは俺の方なんだけどな。

 ギルドに行っても斡旋される職業は、戦士や盗賊とかの地味な割りに重労働な低級ジョブばかり、俺は勇者とか賢者とかになりたいんだよ。

 それなのにギルドの奴ら、低級ジョブから経験と実績を積んでからじゃないと上級ジョブにはジョブチェンジ出来ないとかぬかしやがる。

 確かに今の俺には魔法や剣のスキルは皆無だ。だけどな、俺には秘められた才能があるんだよ! いつか才能が開花するときの為に、せっかくお前らに俺の将来を投資させてやっているのに、それが理解できないんだろうな。

「ああ、わかった、辞めてやるよこんなパーティー! いつか俺が勇者になってから泣きついてきても遅いからな!」
 

 そう言い捨てて、俺は酒場を出ていった。

     

 勢いでパーティーを抜け出してしまったものの、これからどうするかな……

「取りあえず、娼館行って一発抜いてから考えるか」

 そうと決まればギルドでお金を降ろしてこよう。


◇◇◇

 スイングドアを勢いよく開けて俺は真っ先に受付に走った。

「イチロウさん、今日はどのような御用ですか?」

 今日も受付嬢のビビアンちゃんはかわいいな。それに胸も大きいし、何度想像してオナったかわからない。
 いつも俺に笑顔で接してくれているから、きっと俺に惚れてる(確信)

「え、え、えと、お金をひ、引き落としに、き、来ました」

「ではギルドカードを提示してください……えと、このカード失効してますね」

「……え?」

「どうやら先ほどパーティリーダーの方が来て、あなたのギルドカード停止の申し込みをしていたみたいです」

「え? そ、それじゃ、あの、お金は……」

「残念ですが、引き落としできませんね」

 くそ、マサヨシの野郎……! 報酬を独り占めする気だな!

 俺がパーティに加入していた以上、俺にも報酬を受け取る権利がある! それをあいつは……!

「くそ、あいつぶっ殺してやる……」


 こうして俺の復讐劇は幕を開けた。

     

 俺は商店街にある弁護士事務所に無料相談に来ていた。

 法廷の場でマサヨシをギルティする。

 それが俺の復讐。
 

「なるほど、ギルドにプールされていた報酬金をリーダーに横領されたと……」

「え、ええ、そうなんです。俺だって一生懸命頑張ってパーティに貢献してきたつもりなのに、それをあいつは……!!!」

「ふむ……それはどういった形で貢献したのでしょうか?」

「え? あ、あの、それは……ええと……とにかく、パーティに加入していた以上、俺にも報酬を受け取る権利はあるはずだ!」

「そうですね、専属雇用契約を結んでいる場合、報酬を平等に分割したり、固定給だったりしますが、イチロウさんはどういった形で契約していたのでしょうか?」

「え? こ、雇用形態? いや、特にそういったのは何も……」

「貢献を立証できず、正式雇用もされていない……でしたら訴訟しても敗訴する確率の方が高いですね……」

「そ、そんな、そこを何とか……」

「あ、そろそろ時間ですね、ここから先の相談は一時間銀貨一枚となります」
 

 こうして俺の復讐劇は幕を閉じた

       

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