Neetel Inside 文芸新都
表紙

酸っぱい世界のどこかで
まとめて読む

見開き   最大化      

くだらない女だな。
そう思ったのは自分を守るためだと思う。
彼氏がいるのに僕と会う女。
そのうちやれるんじゃないかと思って飯を奢ったりしてたけど、三回目に会ったとき終電できちっと帰られてもうどうでもよくなった。というか多分僕が単に諦めた。
そうなると色んなところが悪く見えてきた。
よく見ると顎がちょっと出てるなとか、理屈っぽくてめんどくさいな、とか。そもそも彼氏がいるのに男と二人で会う女なんてねえ。
しんどくなると僕に電話かけてくるとことかかわいいと思ってたはずなのに、都合よく利用しているだけのクソ女に思えた。

そうやって、手に入らないものは酸っぱいんだと僕は自分に言い聞かせて生きてきたんだろう。転んでも立ち上がれたあの時とはもう違って立ち上がる気力はなかなか湧いてこない。立ち上がらないことの正当化。世界は酸っぱいんだと僕は叫び続ける。変わったのは世界じゃなくて僕。いつだってそうだ。

晴れている日に空を見て美しいと感じた。
本当は知っている。
幸せなんて本当はそこら中に転がっている。
立ち上がろうとする人は美しい。
僕もまだ頑張れるかな。

狂ってしまった僕の舌。
もう何を食べても酸っぱい。
噛み切ってしまえば楽になる。
それはひとつの希望。
でもきっとまやかしだ。
死んだら何もない。

酸っぱさを楽しむか。
また美味しく思えるようになると希望を抱き続けるか。
宝くじが当たるように願うのもいいかもしれない。

誰か助けてくれ。
君が答えをくれても僕は何も思わない。
自分で出した答え以外納得できないくらい自分が好きだから。
僕はまだ諦めちゃいないんだぜ。
馬鹿でよかったよ。

支離滅裂な文字列の羅列。
きっとこれが僕からのSOS。

       

表紙
Tweet

Neetsha