Neetel Inside ニートノベル
表紙

玉匣の姫 (イチロさんは…)
メモリーズ **ちょっとえっちっぽくなってるので自己判断でお願いします。

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メモリーズ 1

姫の手は柔らかく。ドキリとした。
吊られるように立ち上がるとそのままニ、三歩行く。
気づくと闇の中だった。

姫の姿だけが真っ暗な背景に不自然なくらい
はっきりと見える。

「こうでもしないとふたりきりになれなかった。
急なことだらけで困惑しているだろう。
でもこれだけはわかってほしい。
イチロー様に会えて良かった。
会えたのがイチロー様で良かった。」

そう言うと凭れ掛かり腕でぎゅっと抱きしめるのだった。
柔らかい重み。小さな震え。髪の香り。
安堵。抱擁。甘美。

ひとりでに腕が伸びてゆく。
自分の意思を超えた何かが全身が包みそのように振る舞う。

いままで感じもしなかった思考の壁を見た。そしてそれは何の意味も持たない。

手が止まらない。

コワイだとか、妙だとか、誰に対しての言い訳なのか。心の中の声がだんだん聞こえなくなる。

姫の形を確かめるように右手がゆっくりと彼女の背中を行く。
指の動きに合わせるように彼女は體をよじる。
小さく開いた口からもれる息が胸にあたって丸い熱のスポットをつくる。心地良い。

青く滑らかな頬を両手で包み顔を持ち上げる。
薄く開いた眼。視線が重なる。
少し笑うと瞼が閉じた。

彼女の顔が近づいてくる。下唇の質感に吸い寄せられるように身を乗り出す。胸元に当たっていた熱のスポットは今は頬に当たっている。心地良い。

唇が触れた瞬間少し躊躇うが、止まることなく重ねあう。
頭の中なのかそれよりはるか上の方なのか、「甘い」という感覚が生まれ全身に流れる。

ぼーっとしたまま開いていた唇の隙間に彼女の舌が侵入してくる。それは口の内側の何かを探すように這い、遂に舌先と触れ合った。

「あ。」と小さく声が漏れてしまう。「甘い」感覚は止まらず身体が震える。
快楽を求めて舌と舌が絡まり合いねっとりとした音が身体の内側に響く。

唇が離れて「はあ。」と大きく呼吸する。ふたりは笑う。

ジャージの胸元の隙間から覗く丸い膨らみ。
裾がはだけて少しおなかが見える。
しどけない姿。

揺れている小さなファスナーのつまみに手をかけ、わずかに引き下ろした。
驚いたことに、姫は少し困ったように「あっ。」という顔をした。

     

メモリーズ 2


その表情の先にあるものが見たい。
視線を逸らさずファスナーを降す。

じじじと、小さな音を立ててファスナーが開く。
彼女は顔を背け、横目で見つめ返す。
素肌が広がるたびに彼女の呼吸は乱れ胸が波打つ。

ファスナーを降ろし左右に開くと上半身が露わになる。
恥じらい。だろうか少し前まで全裸で平気だったというのに。
いまは視線を逸らし伏し目がちになっている。
いや。これから始まることへの想像がそうさせているのかもしれない。

腹部に触れる。ぴくっと震える。
柔らかい。へそがあることを不思議に思いながら胸元へ向けて手を滑らせる。
微かに声が漏れるのが聴こえた。

弾力のある丸いかたまりに行きつくと沿わせるように手のひらで持ち上げる。
「あっ。ああ。」抑えようとして思わず漏れる声に戸惑っている。
しっとりと絡みつく感触。しだいに乱れてゆく表情。體。

抑えられない気持ち。鼓動。奔放に動き回る手。自分の意思を離れているようであり、その全てを五感を通して楽しんでいる。

「ああっ。ふ。わあああ。まって。まって。」

丸い弾力の頂点の小さな蕾みに指が触れる。
待っていたかのように體が大きく揺れる。嬌声。
「待って。」
姫の手がどてらの袖を引っ張る。
するりと袖を引き抜きどてらを捨てシャツのボタンを上から外す。
姫の手を取り、自分で服を脱ぐ。

カラダを密着させる。
ほっとしたような。反面昂ぶったような。
こんなに自分の鼓動を意識することも無かった。おそろしく早い。

肌を通じて感じる。熱。発汗。鼓動。
(バレバレだけど誤魔化すように)
眼の前の耳を舌先でなぞる。
「あああああ。」大きく響く声。

また、頭の中で何かが吹き飛んだ。こんなにキモチがいいのなら。こんなに求めているなら何をしたって構わない。

耳を激しく舐め回す。
「うわあああ。ああぁっ。あっ。」一層激しくなる声。
同時に左の手は新たな欲望に目覚める。
胸から腹を伝ってヘソを撫でまわす。
そこから指を滑らせさらに下へと降りてゆく。
ジャージの隙間に手を滑り込ませゆっくりと撫でながら下へ、下へと進む。

肌とは違うざらりとした感触に行き着く。
あの陰りの間近に来ている。
「はあっ。は。あ。あ。」
ねっとりとした液体が茂み絡まりついている。
姫の眼をじっと見つめる。
荒くなった息を吐きながら空ろな視線が漂っている。
指を進めると一層ぬるりとした感触の縦に走る溝に行き着く。

ああ。これが。

よく滑る指先で彼女のそれを往復する。
「あっ。あっ。あっ。」と小刻みに震える様子に愛おしくなり口づける。
「ん。あぁああ。あっ。」
柔らかい襞の上を何度も何度も往復する。  

「ん…。ん。あ…。ああっ。ん。あん。あ。あはあ。ああ。あ…あ…」
言葉をわすれたように、ただ声が漏れているように、リズミカルに、高くなり低くなり、大きく、小さくなる。

「まっ…て。イ…チロ…。」
「うん。それがいい。」待たない。止めない。
「え…?えっ。んあ。」
「イチローでいい。様はいらない。」
「イチロ…。イっチロー…。イチローぅ。」
そうだ。こんなに近いのに感じてた距離はこれだったのだ。
「君は?」指を止めないで聴く。
「ん…。ん…?んん。なに?」エッチな音を響かせながら。
「君を何て呼ぶ?」ちょっとキスする。
「…。ンン。あ。あン。」
「うん。”アン”ね。」からかい半分で言う。
「ん。ああ?あん。ちがっ。ん…。ちが…はぁ。はぁ。イチ。ロが、あぁん。イチロっが。つけて。」

「うん。」かわいいなあ。かわいくって指を止められない。
「でも今は、”アン”って呼ぶね。」
「うん。あッ。あッ。あっ。あっ。あっ。あっ。ああああ。」
激しく身震いした。ガクガクと身を震わせ、そして脱力した。
はあ。はあ。と肩で息をしている。
アンは、果てた。

自分の内に感じたことの無い喜びが生じた。

そして気づいたことがある。俺はずいぶんおしゃべりだった。

     

メモリーズ3

はあ。はあ。と漏らしていた息が少しづつ安らかに落ち着いていく。
力が抜けて四肢を投げ出している姿が自然で美しい。

空ろな眼差しのまま横たわっているアンに口づけをする。

呼ばれるように唇を合わせて来る。

「イチロ。」彼女がつぶやいた。

さっきまでいろいろしゃっべっていた自分に気恥ずかしさを感じ
ながら、だけどこうなっては返事をしないのもヘンだと思いなが
ら。

「なんだよ。」応える。ぶっきらぼうだった。
ふふ。とアンが笑う。
「イチロ。やらしー。びっくりした。」目が笑っている。
「オレも。びっくりした。うん。やらしーかも。」思わず笑って
しまう。

坊さんに始まるドタバタも、快く思っていなかった姫の態度も昔
のことのように思える。

「イチロはどう。なの。」
彼女は身を起こし、手を伸ばす。その先には下着に覆われた俺が
カタチを現している。

てのひらで下から、じれったいほどの動きで撫で上げ、また降り
て行く。
くすぐったい刺激を避けることができず手の動きを目で追う。自
然と両足が開いて招き入れている。「はあ。」と息が漏れる。

気付くと、アンが目を細めてじぃっと見ていた。
ずっとこの様子を見ていたのだ。
さっと横を向いて目をそらす。

「へえ…。」撫で回していた手は指で輪をつくり、俺を根本から
包み込むようにして擦り上げ、擦り下げる。その先端を面白そう
に見ている。

「このイチロは素直で正直な、いいコだなぁ。こっちのイチロは
どうかな?」擦り上げる手の動きを早めながらニヤニヤと笑って
いる。
あのときの「姫」だ。

「イチロ。いいんだよ。イチロがしたいようにすれば。」

俺はゆっくりと体を開き上下する手の快感に身を任せていた。

「ふーん。コレがイイんだあ。」握る手の力が少し強くなる。
動きが速くなる。

「あっ。あ。あ。あ。あ…。」
だらしなく口が開き声が出てしまう。

「イチロ…。ほら。ここ。染みになってる…。」指先で、敏感に
なった先端を撫でる。
背中にぞくぞくする感覚が走る。
下着の上部から侵入して来た手が俺をそっと包み込み。ゆるやか
に撫で始める。

「イチロ…。見せて?…。」上目遣い。
両手で下着の上部を引っ張り、下げ降ろしていく。

「あは。ピクピクしてる。えっちなニオイ。はあ…。イチロ…。ん。んん。」

手とは違うぬるりとした温かい感触に先端は包まれ、その小さな
溝に沿っていたずらな刺激が走る。
両足の間に顔を埋めたアンの口元から俺の先端が見え隠れしている。

心が満ちる。
雄としての支配欲なのか。
アンのしぐさが健気でうれしくなる。
同時に背筋を走る快感。たった一箇所への刺激に自分の全てのコ
ントロールを奪われ、支配されている気持ちにもなる。
彼女の唇が上下する度に背筋を走る快感。
髪を撫でようとして伸ばした手は意思を失いだらりと降りる。
両足はますます開き全身で「欲しい」を現してしまった。

だが、アンは口を離した。
おや?と目を向けるともじもじしている。

「ねえ…。イチロ…。しようよ。」


     

メモリーズ4

唇を尖らせうつむき加減でもじもじしているアン。
ポジティブさに圧倒されていた。
「姫」という言葉の重さに気後れもしていた。
でも、そうじゃない。
アンは普通の女の子なんだ。
ヒトの肌色だったら頬を赤く染めているのだろう。

背中に手を回して抱き寄せる。
アンは目をキラキラと輝かせる。

「うん。しよう。」ジャージを脱がせる。
ほっそりとした腰。ふっくらとした腿。陰り。
俺の下着をアンが抜き取る。

はじめて全裸になった二人。
ただ抱き合って互いの感触を確かめる。
アンがいて。俺がいる。

アンは、その存在感とは逆に小さな軆だった。
小さく、柔らかく、包み込んでしまえた。


「アン。いくよ。」
静かに頷く。

不器用に手が伸びて行く。
アンの秘められた湿りのある部分に触れる。
「ん。」と小さな声が聴こえる。
両足を拡げ、間に割って入る。
熱く固くなった俺が湿ったその部分をぬるりと音を立てて滑る。
背中に走る快感に身体が反る。ぬるぬるしたそこを何度も往復する。腰が止まらない。
ねちねちと音を立てる度にアンは軆を震わせ、小さく声を漏らす。

片膝を持ち上げると秘部は露わになった。
「アン。よく見えるよ。」
さっと顔を逸らす。このギャップがかわいい。
もう片足を持ち上げ左右に開いたそこに俺を擦りつける。
「ほら。アン。何か当ってる。」

アンは横を向いたまま指を噛んで黙っている。声が漏れないようにしているのだろう。

「アン。これはなに?言って。」
再び潤いを帯びはじめたアンの秘部を俺が往復する。
彼女の呼吸は乱れ、胸が大きく上下する。

「ほら。アン。これ。中に入ろうとしてる。アン。トロトロだよ。うわ。やらしい。」

先端が少し入ると粘りつく音がした。
「ふ。」と声を漏らし軆をぴくっと震わせた。

「アン。よく見て。」腰を前後させゆっくりと引き抜き、ゆっくりと侵入を繰り返す。

「ん…。ん…。んん…。はあ。はあ。」

「アン。ちゃんと見て。ほら。」彼女の腰を持ち上げ、結合を始めているそれを見えるようにする。
「あっ。やぁ。あぁ。」
「ほら。アン…。アン。入るよ。」
「あっ。あっ。あ…。ああっ。あ。ああ。イ。イチロ…はあ。はあ。イチロが。入る。あああっ。っっ。はぁ。はぁ。はいっちゃ…た…。」俺の背中に回した腕が小さく震えている。

「アン…。」絞り出すような声。
身体はすでに快感でいっぱいだった。
頭の奥に快感のカタマリがあるようで全身がふわりとした何かに包まれている気がする。
大きなストロークで腰を動かす。

「…。ん。んあ。あ。あ。あ。あぁっ。」アンの軆が大きく反り返る。つられるように自分も声がでている。
「…っ。あ、アっン。アン。うっ。あ。あ。あ。」
わけがわからなくなっても。腰は動き続ける。
アンの腕にチカラが入り背中に少し痛い。
「う。あ。あッ。あ。あ。あ。ふわあぁ。あ。」言葉を忘れたように二人の嬌声が重なりあう。

「あっ…あッ。ああッ。あッ!ああッ!あああ!」
動きに合わせるようにアンの声は大きく、上ずるように高くなる。
呼吸の間隔が短くなる。
「あああ!…!イチ…ロ、はあ。はあ。イチロ…う。んッ。んッ。」
激しい動きに気がヘンになる。
身体の奥から何かに込み上げて来る。
アンが引き寄せるチカラが強まり一層呼吸が短く浅くなる。
「んッ。…。あッ!あああああぁぁ…。」一瞬動きが止まり次の瞬間激しく振動した。
その瞬間に激しく高まる快感のが全身を一気に突き抜けた。
「うわ。あっ。あああああ!あああぁぁ…。」奥底から湧き上がる俺の欲望は激しく脈打ち、アンの中へどぷっ。どぷっ。と飛び出す。
ガクガクとカラダを震わせ顔をめちゃくちゃに擦り付け合わせる。
止まらない脈動の度にアンの軆はぴくっ。ぴくっ。反応した。

「んん…。ん…。…。」
脱力し、ふわりと重なり合うふたり。

呼吸が落ち着きを取り戻す。
腕の中でアンは俺の胸を指で撫でる。
撫でる指先を目で追っている。
「イチロ…。」顔を見上げ、つぶやいた。
胸に顔を埋めると眠るように目を閉じた。

       

表紙

おのま。 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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Neetsha