Neetel Inside ベータマガジン
表紙

ミシュガルド聖典~仰~
甲皇国の児童向け昔話とアルフヘイムの昔話

見開き   最大化      

甲皇国児童向け昔話 「ライン」

むかーしむかし。
最初の大陸ミシュガルドにはとても優れた文明がありました。
彼等はその優れた科学技術をもって自然環境や精霊さえも従え、公害も病魔も克服していました。
高潔な精神と強い理性は人と人の争いを起こさず、その英知は亜人達を完全に従えていました。

しかしある日その平和は空から来た黒い混沌の軍勢によって崩壊しました。
ミシュガルド文明すら上回る力を持った混沌の軍勢は圧倒的な力で文明を蹂躙し、平和を乱していきます。
人々は必死に抵抗しましたが、混沌の軍勢の力は強く、なすすべがありません。
それを見ていた神々は、ミシュガルドの人々を救う為巨大な戦士達を派遣しました。
巨大な戦士達は混沌の軍勢と激しく戦い、遂にその大部分を打ち倒しましたが、最後には力を使い切り消えてしまいました。

後に残されたミシュガルドの人々は失われた文明を再興しながら、世界に残った混沌と戦う為に、12体の強力な亜人とそれが従える巨大な機械の巨人の軍勢を作りました。
天から現れた神の戦士を模した機械の巨人、その名はライン。
ラインは12体の亜人の命令で、世界中の混沌を消して回りました。

混沌が世界から消え去ろうとしていた頃、12体の亜人の1人がこう思いました。
混沌の力を得る事ができれば、俺達は人間にとって代わる事ができるんじゃないか?
他の亜人はこう考えました。
自分達は人間よりも優れている、強い自分達ならば、人間よりもうまくこの星を支配できる。
邪悪な心が溢れだした亜人達はやがて人間を裏切り、ライン達に人類を倒し世界を乗っ取る手伝いをしろと命令しました。
ですが、ライン達はこれを拒否し、悪魔で人間に味方して、亜人達と戦いました。

戦いは何とかラインと人間達の勝利に終わりました。
しかし、亜人の為にもたらされた新たな戦いのせいでミシュガルドの大地は砕け、もう文明は元の形を取り戻す事はできなくなりました。
愚かな亜人を信じ、力を持たせた為に、平和と繁栄は失われてしまったのです。

人々は最後まで自分達を裏切らなかったライン達をいつか再び混沌が訪れた時に備えて眠りにつかせ、自分達は各地へと散る事にしました。

こうして、ライン達は今こうしている間も、どこかでじっと、眠りについているのです。
そうして人間に危機が迫った時、必ずまた再び、目覚める事でしょう。

おしまい

     

アルフヘイムの昔話。
12人の勇者。

はるか昔。
ミシュガルド大陸には、エルフ、竜人、ドワーフ、ホビット、人間、その他諸々無数の種族が手と手を取り合って暮らしていました。
大地には精霊の力が満ち溢れ、人々の心は穏やかで、そこに争いはありませんでした。

しかし、ある時天空の彼方より混沌の軍勢が現れました。
その身はあらゆる魔法も、武器も通用せず、人々は逃げ惑うしかありません。
多くの人々が神々に祈った時、天の神々はその祈りに応え、光の化身をつかわせました。
光の化身は混沌の軍勢と激しく戦い、これを倒しましたが、自身も大きな傷を負い、大地へと眠りにつきました。

そこで、欲に駆られた愚かな人間達は眠りについた光の化身を捕らえ、おぞましい機械の巨人達を作りました。
巨人の名前は「ブシン」。
ブシン達はその力を振るい、人間にとって都合の悪い物達を大地から消していきました。

我に従属せよと迫る人間達に、光の化身から真の力を授かった勇者達が立ちはだかりました。

滅菌の勇者。
癒しの勇者。
情欲の勇者。
愛の勇者。
天空の勇者。
策謀の勇者。
戦の勇者。
万雷の勇者。
知識の勇者。
念の勇者。
飽食の勇者。

勇者達はブシン達と戦い、その戦いで大地は激しく破壊され、精霊は力を失い、星は赤い涙を流しました。
やがて力を合わせた勇者と人々は欲に駆られた愚かな人間をはるかな精霊の加護の無い土地に追放し、新たな大地へとたどり着きました。
神への感謝を忘れ、己の力に溺れた者に、幸福など訪れないのです。

       

表紙

みんな [website] 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha