「主の目には、彼は不毛の地に芽を吹いた様に見えた。
それはまるで柔らかな新芽のよう。
私たちの目には心引かれるものは何一つなく、慕うようなものはない。
私たちは彼をさげすみ、受け入れなかった。
彼は悲しみの人で、苦しみをなめ尽くした人だった。
私たちは彼に背を向け、そばを通っても顔を逸らした。
彼が侮られても、そ知らぬふりをした。
しかし、彼は私たちの悲しみを負い、私たちの嘆きを担った。
彼がそんなに苦しむのは、罪を犯して神に罰せられているからだと思った。
しかし、私たちの罪のために傷つき、彼は血を流した。
彼は私たちに平安を与えようとして、進んで懲らしめを受けた。
彼がむち打たれたので、私たちは癒された。
私たちは神の道を離れ、羊のようにさまよい出て、自分勝手な道を歩いてきた。
しかし神は、私たち一人一人の罪を彼に負わせた。
彼は痛めつけられ、苦しみ悩んだ。
それでも、ひと言も語らなかった。
まるで子羊のように大人しく屠り場へ引いて行かれ、毛を刈り取られる羊のように。
そのとき、非難を浴びせる者たちの前に、彼は黙って立った。
人々は彼を裁判にかけ、刑場へ引き立てた。
果たして、彼が死ぬのは自分たちの罪のためであり、身代わりに罰を受けて苦しんでいることを知っていた者が、その時代にいただろうか。
彼は罪人扱いを受け、富む者の墓に葬られた。
悪いことをしたわけでもなく、悪いことばを口にしたわけでもない。
彼を傷つけ、悲しみで満たすのは、主の計画だったのだ。
罪の赦しのためのささげ物として、その魂を捧げるとき、彼は多くの子を見ることができる。
彼は復活し、神の計画は彼の手によって成し遂げられる。
彼は、自分の魂が苦しみもだえた末、神の御業が実現するのを見て満足する。
私の正しい僕はこのような苦しみを経験して、多くの人を神の前に義とする。
彼が人々の罪をすべてになうからだ。
それゆえ、私は彼に、偉大な勝利者としての栄誉を与える。
彼は進んでいのちをささげたのだ。
彼は罪人の一人に数えられ、多くの人の罪を負い、罪人のために神に取成しをした。」