Neetel Inside ニートノベル
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SIGURE The 1st Opera
双月の章

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 月光を浴びながら、彼は左手に鍵を、右手に笏を持ち、深い谷の門を守護する。



 過去と未来。



 理と情。



 愛と憎悪。



 そして、始まりは訪れ、終わりがやってくる。



 永劫回帰の中、廻り続ける歯車はやがて錆びて朽ちる。



 現在も未来も過去と一緒くたになって、混沌としたマトリクスに堕ちる。



 ゆえに、前向きの貌と、後ろ向きの貌を持ちながら、彼は正面を見ようとしない。



 反転するのではないかという不穏さを漂わせながら、彼は変わらず境界に居続ける。



 まもなく月が隠れ、始まりが訪れる。



 彼の貌には狂気が息づき、そのときを待つ。

       

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