夕方になると「ご飯だからこっちへ来て」と奥の部屋に呼ばれた。「毎回ご飯はこの部屋で食べるからここへ来てね」と。
折りたたみテーブルがセットされたこの部屋で、このスペースで暮らしている人たち全員がここに集まって食べることになっているらしい。
「こんな生活でも住んでりゃ慣れるから」「ここ、ご飯は美味しいよ」「ねぇ」患者さんたちが口々に言っていた。確かにご飯は美味しかった。注ぎ分けられた状態でワゴンに乗せて持ってきた割には温かかった。真冬なのに。
でもさっき昼食を食べたばかりの私にはもう食事は苦しかった。
「薬飲まなきゃいけないから、食べて」「肉食べて」「ご飯食べて」「野菜食べて」「もうちょっと食べて…」くるし、、いらなぃ、、、食べれな・・・
私の訴えは聞き入れてもらえず後ろから複数の看護師が指示してくる。「もう、さっき食べたばっか!いらないから!!」私が強く言うと、
「もういいわー、この子…。」一人の看護師がそう言ってやっと解放された。
「薬は飲んでね」この日はその場で即座に薬を飲まされ部屋に戻った。
 
9時に布団を敷いて全員寝る。10人ぐらいで寝るので部屋いっぱいに布団が敷き詰められた状態だ。消灯時間は9時と決まっていて、電気をつけることはできないのだそう。
夜中にトイレ行きたくなったらどうしよう…
私の隣にはまなみさんが寝た。
 トイレの話だが、個室が7個くらいあって、まともに鍵がかかる所は1カ所もなかった。扉はすべてついているが鍵がない。1つだけついてる個室はあるんだけどコツがいるのか、かけたらなかなか外せない。15分ぐらいかけてやっと出てこられる感じだ。はじめは鍵をかけないなんて抵抗があって、この個室を選んで入っていたが、めんどくさくなって鍵のない個室でも入るようになった。慣れると抵抗もないし、人が入ってるドアを開けちゃったってのも普通になってくる。最初はびっくりしたのに。あと、ボットン便所で紙は備えていない。自分で買って(家族に買って補充してもらう)トイレに行く時、使う分だけ持っていくのだ。
患者のオバちゃんにもらったチリ紙の束はホントに助かった。気の狂った人が変なものよこしてきた…と思ってたけど、彼女はまともじゃないか。