Neetel Inside 文芸新都
表紙

見開き   最大化      

「布団はたたんでそこの押入れにしまってね。今空いてる所はー・・・、ここだけか。ここがあなたのしまう場所。」
看護師から室内の側面にある押し入れの説明を受けながら、一緒に布団一式をたたんで押し入れにしまった。
「これはあなたのもの」そう言って小さめのダンボールを持ってきた。中には洗面器、プラスチックのコップ、歯ブラシ、歯磨き粉、ハンドクリーム、ヘアブラシなどが入っている。
一つ一つに名前が書いてある。洗面器やヘアブラシは自宅のものだ。油性マジックで大きくフルネームが書かれてしまっているが…
 自分のスリッパも用意された。それと、袋に入った新品のチリ紙。これは少なくなってくると家族に注文させて病院側が持ってくるシステムらしい。
「自分のものは全部この箱に入れてココにしまって」
看護師がそう言いながら部屋の端にあった簡易テーブルの下に段ボール箱をしまってみせた。

       

表紙
Tweet

Neetsha