Neetel Inside 文芸新都
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 テレビは部屋の上の方に設置してあったが、リモコンは一人の決まった人が握っており、好きなチャンネルが自由に見られるわけではなかった。
スイッチの入、切もリモコンでしかできない。リモコンを持っているその人だけがスイッチを入れ、チャンネルを変えて、部屋を去る時消して出て行った。
大体、つけること自体少なかった。
 1日に数回、ラジオ体操の音楽がいきなり館内に流れて何人かの患者が立ち上がって体操を始める。体操を強要されることはない。
基本、ほとんど看護師が部屋に来ることがない。
 お風呂の日も私を呼びに来る看護師はいない。
どこに浴室があるのかを私は知らない・・・自分が動き回れる範囲内に浴室を見たことがないし、私にはバスタオルもない。
まなみさんが、気にかけてくれていたようだが、「わたしの・・、ぁーバスタオルは・・・ぅ〜…ん・・・」と口ごもり、貸すのを(1枚しかないので一緒に使う事になる)ためらう様子だった。
さすがに昨日今日会ったばかりの他人とバスタオルまで共用するのは抵抗があるらしい。まなみさんの神経は極めてまともだ。
   二日目の夜もまなみさんの隣で眠った覚えがある。

       

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