〈一旦気を失う〜姉の叫び声でうっすら意識が回復する。
「リョーちゃんを返せーっ!!!」鉄格子の扉がある方から聞こえてきていた。
「リョーちゃーん!リョーちゃ〜ん!!」・・・
・・・また意識失う〜誰かのすすり泣く声で目が覚める・・・・鉛のように重いまぶたを持ち上げると旦那と息子がわたしの枕元で泣いていた。
一瞬うっすら目を開けるのも非常にしんどい・・・・すぐにまぶたを閉じる。
もう・・、死ぬ・・・・・残される家族がかわいそうで、目を閉じたまま私も泣いた。〉
文芸新都 |