Neetel Inside 文芸新都
表紙

脳内麻薬が氾濫したら・・・
記憶の欠落

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 閉鎖病棟の中で、気が付くと服が変わっていたことがあった。自分の服が、である。着替えた覚えは微塵もない。
コートはリュックを没収された時に一緒に持って行かれたのを覚えているが、服は初日に着ていたものでずっと過ごしていた。が、ある瞬間・ 
グレーのスエット上下を着ている。自分が持っている服でもなかった。
???・・・!?一瞬の放心の後、びっくりした。というか、ショックだった。
スエットを着ているのに気がついたのは立った状態であったからだ。気絶とか、眠っていて目が覚めたら…って訳でもない。
スエットになる前の最後の記憶も思い出せない・・・。
記憶喪失だ・・・と、理解した。こんなことは初めてだと思った。が、それは病院に連れてこられる以前から度々起こっていたことのようなのだ。
あの、寝てたわけじゃないのにフッと目覚めるカンジがしてたのは、記憶が所どころ抜け落ちているものだった。
記憶を失っている間、自分は何をしているのだろうか・・・。

       

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Neetsha