Neetel Inside 文芸新都
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 いつから失っていたのか解らない意識が戻り、自宅カウンターの下に座り込んでいたことがあった。
普段こんなところに座ることはないので、気がついた瞬間にここが自宅だということもすぐには解らなかった。このアングルから部屋を見たことは初めてだった。
手には半透明のピンクのクリアファイルを持っていた。
  ーーーーなんで私はこんなところに座って…こんな物を持っているのだろう・・・

こんなことが外出先で起きたらどうしよう…記憶が飛んで、知らない場所で戻ったら・・・・
そう考えて出かけるときは必ず今日の日付、行き先、行く目的、待ち合わせ時間や会う予定の人を書いたメモをかばんの内側に貼って外出していた。

       

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Neetsha