Neetel Inside 文芸新都
表紙

脳内麻薬が氾濫したら・・・
息子の苦悩

見開き   最大化      

 精神科、心療内科はどこも激混みだ。
私が通院することになったI医療センターは、診察開始の数時間前に玄関ドアが解錠され、診察券を入れてもいいことになっていた。
受付カウンターに設置されている診察券入れの小さなポスト口から診察券を入れる。診察時間になると、この順番が早い人から受付番号札がもらえる、というシステムだ。

 朝イチの解錠しそうな時刻に息子が診察券を出しに行ってくれる。こうしておけば、私は、診察開始時刻にだけ行けば良かった。
息子は診察券の提出と、私の付き添いとで毎回2往復してくれていた。
早朝5、6時に出しに行ってくれていても、受付番号は7番くらいのことが多かった。
開院時間ともなれば、2、30人の患者たちで待合室はあふれかえっていた。

 精神科に通院するにあたって、“精神保健福祉法第32条”に該当する重度かつ継続の精神障害であると認められて、公費負担制度で通院できると病院から説明があったらしい。
この手続きも息子が一人で役所へ行き、済ませてくれていた。
薬代も公費から出していただけるそうで、無料で通院することができた。

このI医療センターに通院し始めた頃に、担当医が「今の段階で病名をつけるとしたら…」と前おいて、
  
 “心因反応 
  急性一過性精神病性障害”

 と、メモに書き記して渡してきた。にこやかで明るい雰囲気の、良いお医者さんだった。

       

表紙
Tweet

Neetsha