Neetel Inside 文芸新都
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脳内麻薬が氾濫したら・・・
激昂の事情

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 レッスンが終わり、家に帰ってきてしばらくすると、さっきレッスンで一緒だったダンス仲間のN野さんが電話をかけてきてくれた。
「様子がおかしかったけど、大丈夫?」
みたいなことから始まって、悲しい気持ちや不安な思いを泣きながら話し出すと、親身になって聞いてくれるばかりか、今まで知らなかった彼女自身の家族のことまでも話して慰めてくれたりした。
レッスンの間は心を強く持とうとも思っていたこともあってか、N野さんと腹を割って話しているうちに、その反動のように号泣しながら苦しい心を吐露し続けた。

 N野さんとは五十分ほど電話して、切った後程なくして上の姉から電話があった。
実家のお母さんをどうする?みたいな話だった。
 母には被害妄想型の統合失調症のような言動が10年以上前から出ていたので、父がいなくなっては…という相談みたいだった。
父の生前に、
「お母さんって、もしかして精神分裂病なんじゃないの?」
と訊いてみたことがある。
「お前もそう思うか」
と、亡くなる10年位前の父も言っていた。
いつからなのかをきくと、最初からだと答える。でも、家事や育児ぐらいはできるだろうと思って結婚したと。

       

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