Neetel Inside 文芸新都
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 外部からの情報の入り方が、いつもと違う。
判断の脳を介さずに、スルスルと魂の髄へと直接注ぎ込まれるように入ってくる。
こういう時は脳が楽な感じだ。同じような脳感覚の時に聴覚がおかしくなることがあった。

蛇口からバスタブに湯を張る時のジャバジャバという騒音・・・その音に紛れてだんだんお経の声が聞こえてきた。
次第にお経の音量のほうが大きくなっていって、最後は蛇口からの湯の音が完全にお経へと成り代わる。

洗濯機の脱水の時にも同じようなことが起きた。
ぐわ〜んゎんわん・・・という騒音に紛れてアラビアンミュージックがかすかに聞こえ出したかと思ったら・・・
その音楽が次第に大きく、洗濯機の騒音は徐々に聞こえなくなっていき、完全にアラビアンミュージックが流れていた。

こういう時はその時点で頭がおかしくなっているなぁと、気がつくことができた。
スルスルと流れ込んでくる情報の入り方も、後になるとあんな感覚はおかしかったと思っていた。

こういう事が繰り返し起こることによって、この状態になっている時は、どうやら催眠状態にあるらしいことが解ってきた。
何回も何回も催眠に入っていたので、催眠状態の最中に 
   あ・今、催眠だなぁー…とか、これから催眠に入りつつあるなぁ…
ということが自分で分かるようにもなっていた。

       

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Neetsha