Neetel Inside 文芸新都
表紙

見開き   最大化      

 神の声を聞いているかのように脳が冴えわたる・・・こんな時は自意識過剰になる。
    ー私を消そうとしている集団が存在するー・・・・・
そんな幻覚妄想に至った時期があった。
 
信号待ちで人が集まってくると、この周りの人たち、みんなが私を狙いに来ている集団ではないかと・・・。
そう感じると、皆が言葉なきサインを送り合っているように思える。
カバンを右手から左手へと持ち変える、髪をかき上げる、鼻をすする、咳払いをする・・・人々のそんな動作が連絡手段であり、咳き込む人に続いてまた別の人が咳をしたりすると、あ…、今あの人が、あの人に返事をしたな・・・などと思い込んでいた。
 私が気づいていないと思っているんだろうけど、分かっているぞー…、と警戒したりして・・・。

 こういう発想は統合失調症の症状の例でよく挙げられているが、私には視覚情報として訴えかけてくる幻覚はあまりなかった。
光線状の光が視界全体に飛び交うのが見えたことはあったが、これは幻覚だなと、その場で判断ができていた。

 そういえば、統失らしき症状がひどかった頃の母が、「レーダーがあたる、レーダーがあたる」と、よく言っていた。
(たぶんレーザーのことだと思う)

       

表紙
Tweet

Neetsha