Neetel Inside 文芸新都
表紙

脳内麻薬が氾濫したら・・・
完治/寛解

見開き   最大化      

 前の飲食店の店長もいい人だったが、新たに勤めることになったコンビニの店長は更に輪をかけてとてもいい人で、向精神薬が必要になることはなかった。
やっぱり疲れやすさが病前ほどにまでは回復しないがー…

以前は1日にたった4時間の勤務でこんなに疲れていたような気はしなかった。
毎日10時間勤務なんてのも普通だったのに・・・。
今ではたまに延長して5、6時間働くと非常にくたびれる…。
毎日なんて6時間でももう無理そうな感じだった。

まぁ、ここでは基本4時間で帰れたので、辞めなくちゃいけなくなる程 疲れきることはなかった。
念の為に、と持って行っていた精神安定剤も必要になる場面はなかった。

     

 抗うつ剤を断ち切って以来、一度も何の向精神薬も飲むことなく、5年以上が過ぎ去った。
このコンビニのパートも、結局6年近く続けることができた。

思えばいろんな症状が出た。
顔先の痺れに至っては、閉鎖病棟にて注射で目覚めて以来、一年半も治らなかった。
精神疾患はおおむね全種経験したのでは無かろうか・・・?
精神病のフルコースだー。

主に、躁うつ病なのかな…

こんなにまで病的ではないにしろ、以前からその傾向はあったようにも思う。
母の統合失調症のことを調べるために精神医学の本を読み漁るようになってから、自分自身がどうやら鬱持ちであろうことには気がついてもいた。
医者から診断名を出されたことは一度もなかったが、今回、自分がこのような状態になってみて、双極性障害に違いないと、自負(?)している。

再発を繰り返し、完治はしないという噂の…
だとすると、今の状態は、ただの寛解・・・?

「そんなふうに考えないほうがいいよ」
そう言ってくれる友達がいた。

 そうだ、誰だって明日はどうなっているか分からない・・・
・・・いつ、何が起きるか…それはみんな一緒だ!
とにかく、今は幸せだ!!
元気になって、好きなものが美味しく食べれて、好きな服を着て、自由に外に出られて・・・・・・・・・・・。

     

 今、あの閉鎖病棟を見に行ってみても、手前に大きい建物が建ってしまって、鉄格子のついた3階の病室の窓は見えなくなった。

長い年月が過ぎた。

あの寒々しいコンクリートの建物は・・・消毒液くさい閉鎖エリアは・・・
もう目に触れることはなく、心と頭の中にあるだけとなってみると、なんか嘘みたいな世界だー・・・
でも、本当にあった。都市伝説じゃなかった・・・・・
一度入れられたら、なかなか出てこられないという。
皆んなまだ“檻”の中なのだろうかー・・・
旦那が言う通りに、もうあの病院のことは忘れたほうがいいのだろうか・・・
  
・・・み ん な の こ と は・・・・・・・・・・・・・・・・・・
END

       

表紙

多治見リョー 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha