Neetel Inside 文芸新都
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脳内麻薬が氾濫したら・・・
おそらく入院二日目

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 夜中に目が覚めることなく朝になって目が覚めた。部屋には時計があり、目覚めてすぐ確認したら7時ちょうどだった覚えがある。
病室には扉がついておらず、すべての部屋が廊下から見渡せる造りになっており、各部屋に時計があった。
カレンダーはどこにもなく、廊下の黒板に今日の日付と曜日、それと1週間分の予定が書かれていた。
見ると、1日か2日おきに“入浴”という文字と、回診と書かれた日が1日あった。

     

「布団はたたんでそこの押入れにしまってね。今空いてる所はー・・・、ここだけか。ここがあなたのしまう場所。」
看護師から室内の側面にある押し入れの説明を受けながら、一緒に布団一式をたたんで押し入れにしまった。
「これはあなたのもの」そう言って小さめのダンボールを持ってきた。中には洗面器、プラスチックのコップ、歯ブラシ、歯磨き粉、ハンドクリーム、ヘアブラシなどが入っている。
一つ一つに名前が書いてある。洗面器やヘアブラシは自宅のものだ。油性マジックで大きくフルネームが書かれてしまっているが…
 自分のスリッパも用意された。それと、袋に入った新品のチリ紙。これは少なくなってくると家族に注文させて病院側が持ってくるシステムらしい。
「自分のものは全部この箱に入れてココにしまって」
看護師がそう言いながら部屋の端にあった簡易テーブルの下に段ボール箱をしまってみせた。

     

 朝ごはんを食べ終わると、看護師から自分のコップに水を汲んで列に並ぶように指示があった。
他の患者さんたちも皆、水を入れたコップを片手に並んでいく。
列の先頭はナースセンターの前だ。
看護師A:「はい、口開けて」(分包の薬を上を向いて口を開けた患者の口の中に投入する)
看護師B:「水飲んで」(一歩進ませて)
看護師C:「ちゃんと薬ごと飲むんだよ」(監視役のよう)
という手順で患者の列を進ませながら流れ作業で投薬を行う。
「毎食後に自分で水汲んできてここに並ぶんだよ」私が薬を飲むのを確認すると、そう言った。

       

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