Neetel Inside 文芸新都
表紙

脳内麻薬が氾濫したら・・・
病院から病院へ

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 現実に戻るが、“出ちゃった”1週間前に父親が事故で死んだ。
実家暮らしの姉が警察行かなきゃ、病院行かなきゃ、銀行行かなきゃ、行政書士が・・・って事後の対応で毎日忙しそう。
この「病院行かなきゃ」が強く刷り込まれたのか“出ちゃった”1週間後に自分が行かなくちゃいけないように思い込んで、事故直後に父が運び込まれた病院へ朝早く向かった。
   ーーーーーーなぜだか旦那、息子がついて来る・・・・・
 私は下敷きを持って行った。コレ、病院の人に見せなきゃ…そう思い込んで知らせなきゃいけない(と狂った私が思ってた)ことを無地の下敷きに鉛筆でビッシリ書いていた。こんなもの見せようとしていたってことは・・・この日、この時もかなり正気じゃなかったんだ・・・と、今なら解る。
病院に着いた時は下敷きの存在は頭になかった。

     

 謎の下敷きのことは忘れたまま、待合室に座る。数分後・・・
「どうしましたかぁ〜?」と、病院スタッフが私を覗きこんで来た。
旦那がすかさず出てきてスタッフと喋る。対応してくれてる、任そうと思った。
「◯◯クリニックに行ってくれって」数十分ほど別室に行ってた旦那が出てきてそう言うのでついてきてた息子と共に3人でその病院へ。

 到着すると、旦那が私を診察して欲しいと、受付に申し出た。
ーおかしい・・、なんで私が・・・旦那がおかしくなってるから助けてもらわなくちゃー
そう思って、「◯◯家に電話してください」と、受付最中に口をはさむ私。
実家に連絡をとって助けてもらおうと番号を一方的に言い出す。

     

「だまれ!しゃべるなっっ!!」数字(電話番号)を羅列する私に旦那が怒鳴る。
私は怯えて数字と「◯◯家に電話してください」を必死で受付の女性に訴え続ける。旦那、「だまれ!!!」で遮る。
受付の女性、うろたえながら私を見るが、電話してくれないし、何も言ってくれない…
 これが数分続いた後、奥から出てきた別の受付の方が「こちらの病院へ行ってください」と、紙を出してきた。
鉄格子のついた精神病院だ・・・
・・・総合病院から紹介された心療内科を出た。

       

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