Neetel Inside 文芸新都
表紙

脳内麻薬が氾濫したら・・・
人間の気配

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 はっきりとした人間が幻覚として見えたことはないが、自宅の廊下を歩いているとき、大勢の人たちが左右をすれ違って行くのを感じたことがあった。
モヤのような人影たちがぶつかることなく私の両側をぞろぞろとすれ違って行く・・・・・・・・。
一瞬、恐怖を感じたが、ありえない事という現実検討能力が正常に働いて、あぁ、幻覚症状だなーと、冷静に判断ができた。

     

 リビングの椅子に腰掛けている時に、
    ー今、子供の幽霊が目の前を通った・・・ー
と、思ったことがあった。見えたわけではないが、人がいると脳が認識する。
廊下で透明な人たちとすれ違った時のような認識感覚だった。
この奇妙な幻覚が起こるときは、自分と同じくらいの背丈の人が歩いて行く。
だから、椅子に座っているタイミングでこれが起こった時は
…子供の幽霊が通った…!という認識に至ったのだと思う。

     

 幻聴は、私の場合は人間の声が聞こえる事はなく、物音の事があった。私を追いかけてくる大勢の足音でハッと目が覚める。周りは誰もいないので幻聴だったんだ・・・と、思う。
大勢の人たちの足音は幻聴だと分かっても、私を狙ってくる集団が存在しているという意識の幻覚は、結構何日にも及んでいた。

       

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多治見リョー 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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