妖年の章

 朝日の様に光が燃える。

 春は恋人の様に麗しく、花は咲き乱れる。

 暖かな大気が心に染み渡り、果てしない春に抱かれる。

 やがて、微笑む草木に見送られながら、美しい春に包まれて天に昇る。

 愛の歓喜が無限に広がり、無限の暖かさが、聖なる感情となって胸から湧き出てくる。

 連れ合いを求める鶯の鳴き声が、霧深い谷間から響いてくる。

 上空に漂う雲は、下方へ向かい、美しき少年は天に昇る。

 青くて丸いこの惑星を離れ、遥か遠くに、愛する父の力強い両腕が待っている。