いつだって嘘をついています。
晴れた日も、雨の昼も、あらしのよるも、君が飛び降りた日も。
いつも無口な僕も嘘をつく時だけは饒舌になるのです。
僕の口から淀みなく出てくる言葉ほど淀んでいる物はないのだと臙脂色の煙が僕の首を絞めるのです。
枯れた花から一筋の露が流れ落ちた。
鮮やかに咲き誇っていたあの頃の様にどこまでも澄んだ露が流れ落ちた。
それを手で掬った途端に濁り切ってしまった。
澄んでいたのが幻想なのか、僕が汚れているだけなのか、それを知るのは頭上を飛び回る鳶だけだ。
空の果てには小さな扉があった。
震える手に力を込めてそれを押すと小さくキイ、と音を立てて開いた。
何があるのかと恐る恐る覗くと今まで僕が見てきた風景が広がっていた。
僕はいつまでここに囚われているのだろうか。いや、囚われているんじゃない、好きでここにいるだけなのだ。
歯車と小さな窓
君を殺したのは多分空の青さだ
夢を追っています
夢を叶えた君の前でビールを呷りながらそう呟いた
食べかけた米だけがその言葉に頷いた
一面の青い空とどこまでも続く赤信号。
絡まる電線と等間隔の電柱。
これが青春だった。
追いかけられた魚は群衆の中へ
破られた約束と水面にキスをした