Neetel Inside 文芸新都
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『死んだあとでまた会おう』
震える唇でそう呟いた君は向こう側へ消えた。
『俺たちは何かで繋がっているさ』
そう大声で叫んだ君は手首を切った。
僕らは一人だね。
あなただけが残った。

生きて居たいよ
祈る星が落ちていったなら
死んでほしいと月が語りかけても
願え!願え!願え!
沈む日は僕が決める

どの扉を開いてもそには既に人で溢れていて席を置く余裕なんて無い。
かと言ってこのまま突っ立っていたら凍えてしまうのでなるべく小さな建物に入ると、僕のせいで誰かが押し出された様だ。
肩に積もる雪を払う暇はない。
安寧の地なんてものはない。
僕には余裕がない。

風に吹かれて一枚の広告が飛んで来た。
どこにもない幸せを描いていた。
風が吹いた。
体が宙を舞った。

一世紀、百年、三万六千五百二十五日
歩幅は変わらない
背丈だけが変わった

蛍光色で着飾り身を隠した
午前九時のスクランブル交差点に
どうか見つかりませんように
誰かの目に留まりますように

青に憧れがあります。
白と緑と窮屈さに囲まれたこの場所では、見上げなければ見つからない色に。
限りなく透明に近い青に憧れています。

       

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Neetsha