Neetel Inside 文芸新都
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 それは、まさしくうんこであった。便器の中に身を投じた一個のうんこ。たゆたう水面に身を任せ、ここから始まる下水道への大冒険を感じさせる一枚。
 いつの間にか俺の心の内は悔しさから嬉しさに変わり、同時に、形容しがたいもやもやが襲った。
「……確かに、俺は悔しかった。どんどん文藝の作品を読んでもらいたかった。あわよくば、俺の作品のFAを描いてもらえればと思っていた。……そして今、俺は一枚のFAをもらった。たった三行、たった三文字の文字に、一枚のFAをもらったんだ」
 それは、確かなファンアート。欲して止まなかったファンアート。しかし、そのファンアートは俺の魂とも呼べるほかの作品を描いたものではなく、たった三文字から成る物のファンアート。――魂なんてこもっているわけがない。この三文字を誰かが読んでなにを思う? うんこだ。それ以外のなにものも生まれはしない。そこにあるのはうんこ、作者の技量も魂も伝えたいものもなにもない。うんこだ。
 そんな三文字に、俺はFAをもらってしまったのだ……。

えんd

       

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Neetsha