Neetel Inside 文芸新都
表紙

要するに短い話なんだよ
エロと幼馴染といけない放課後

見開き   最大化      




「風流、好きだ」
 夕陽の澄んだ光が教室に差し込む頃、俺は沈黙に包まれた空気を打ち破るように、そんなことを口走った。対する風流は何を言われたのか理解していないようで、またも教室を沈黙が支配する。
 ツインテールを揺らしながら、彼女は怒ったような悲しんでいるような、そんな分かりづらい表情でこちらに振り向く。
 ああ、さすがに突拍子が無かったか、と。今更ながら後悔する。……そんな俺を見かねてなのか、彼女、風流(かざる)は戸惑いを見せつつも口を開く。
「なっ、なに言ってんのよバカヴァレンチノ! そんなこと急に言われたって、困るよ!」
「こ、困るのか」
「別にヴァレンチノのことが嫌いってわけじゃないんだからねっ! ……けど、やっぱり幼馴染以上にしろって急に言われても、出来ない」
 風流が今言ったことは、俺も思ったことだった。
 よくある話。小さい頃から仲のいい友達として過ごしてきたんだ、長年の関係を崩すことは正直言って怖い。けど、この抑えられない気持ちは本物だ……ッ!
「――よろしい、ならば戦争だ」
「せっ!? ちょっと、ヴァレンチノ? え、ま、待って待って! お願い、鬼気迫る表情でズボンのベルトを外さないで!」
 聞く耳を持たないとはこの俺、ヴァレンチノ伊藤のこと。右から左へ聞き流し、俺は風流に迫る。緩めたズボンには、立派なテントが設けられていた。
「ほ、ほらっ、恋人になりましょう! それでいいんでしょ? ね! だから迫らないでぇー!」
「貴様は俺のピュアハートをこれでもかと踏みにじった。万死に値する」
「だって幼馴染じゃない! 急に言われたってすぐにハイとは言えないよ!」
 ええい、がたがたうるさいビッチだな。幼馴染でお隣さんで親同士も繋がりがあって一緒に寝たことがあって一緒に風呂も入ったことがあって毎朝起こしに来てくれて一緒に登校して一緒に下校してるというのに今更なにを躊躇する必要があると言うのか!
「黙れい! いいから大人しく股開けや! うひょおおおおお!!」

       

表紙
Tweet

Neetsha