Neetel Inside 文芸新都
表紙

要するに短い話なんだよ
よせあつめ

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1.『そして世界はふたなりに包まれた』



 世界は侵略されていた。
 いや、何に侵略されているのかは今から説明する。それというのも、そう、世界というか地球は侵略されていた。だが、敵の姿はない。それもそのはず、侵略者の正体は紫外線の様な目に見えないもので、いわゆる宇宙には有害な何々線が飛び交っているという説、その中の一種類が偶然地球上に降り注いだのだ。
 MMRで言う紫外線の所為でプリオンが異常行動をとり狂牛病うんたらかんたら、まさしくそんなノリで世界中の人々はその有害なものを全身に浴びてしまった。オゾン層は奇跡的に無傷だった。
 うむ、降り注いだ。そこからが問題だ。
 その有害云々線は男性には無害だった。……あぁ! なんということだろうか! 有害云々線は女性が浴びることによりその効果を発揮する。症状が現れるのは股間、局部。それを浴びた瞬間、人類の半分は驚愕する。腕を組んでいた彼女、隣で寝ているワイフ、海ではしゃぐ恋人、濃厚なディープキスを交わす相手、むしろ今現在繋がっている男女。――全ての男が目を疑った。そんなことあるわけがない、でも、このパツンパツンにテントを作り、掛け布団を押し上げ、水着を破り、俺の腰を突付き、嗚呼、間違いなく有害云々線が地球に降り注いだ瞬間、全ての女性は男の目の前でエレクチオンしたのだ。男性の象徴たるエクスカリバーを携えた姿はまさしくふたなり。
 エレクチオンした女性達は一様に身体能力の上昇が見られ、男など赤子の手を捻るが如く相手にならない程までに強くなった。それだけではなく、まるでとり憑かれたように男の尻を狙い始めたのだ。――人間という種の危機。男のアナルに白濁液を注ぎ込んだところで新たな生命など生まれるわけもなく。人類の存亡がかかった危機に見舞われることとなったわけだ。
 そんなわけで世界中の男達は結託して、なんとか女性に生えたこのエレクチオンしたままの一物をどうにか出来ないかと悩んだ。一時間で結論が出た。……“これは現代社会における女性差別を地球規模で表した結果である。即ち、我々は女性と戦わなければならないのだ。ここで我らが負けた場合、我らの股間に付いた息子達、それらが女性の象徴へとすりかわってしまう。そんなことは、断じて許してはならない! 今ここに我々は宣言する。女性との全面戦争をッ!!”と、こんな具合に男は女と戦争を始めたのだった。

「――くそっ、しくじったぜ!」

 そして今、俺は人生最大のピンチに見舞われていた。
 自宅でエロゲをやっていただけなのに。今は遠い女性達を想う二次元、それに思いを馳せていただけだというのに。……いつも通り自室にこもりきりの俺は、玄関で物音がしたため、面倒だと思いながらも玄関に向かった。玄関で見たものは、床で倒れている少年。このご時世、外で女に襲われるとなっちゃ、他人の家に逃げ込むことも少なくない。だからこそ、俺は何の警戒も無しに少年の肩に触れ――そのまま床に押し倒された。
 俺の腹の上に圧し掛かる少年――かと思いきや、よくよく見ると体つきや少し膨らんだ胸から見て、あぁ、間違いない。床で倒れていたのは少年ではなく、幼女だったのだ。

「この俺を騙すとはふてぇ野郎だな、おい」
「野郎じゃないよお兄ちゃん。女の子だもん、僕」

 ぼくっ娘かよ……ッ! 俺は腰の上に乗っかっている幼女を見ながら、冷や汗をたらす。
 俺はつい先程まで、妹が12人出てくるエロゲをやっていたのだ。……真っ先に攻略対象となったのは、一人称がぼくの子。そうなのだ、この目の前にいる幼女は間違いなく俺のストライクゾーンど真ん中ッ! まずい、まずいぞこれは。

「ねぇお兄ちゃん。今更聞くのもあれだけど、こんな状態になったということは、何されるかわかってるんだよね? なんで逃げないの?」
「逃げたいさ! てめえ力が強すぎるんだよ!」
「……へぇ、ホントに? お兄ちゃんとボクの体格差なら、本気になれば逃げられると思うんだけど」
「ぬうっ!」
「ホントはお兄ちゃん、逃げたくないんじゃないの? ……ほら、ここもこんなになっちゃって」
「あ、らめえええ、そこはらめえええええ!」

 幼女はそう言って、先程からジーパンを押し上げている部分を優しく撫でる。……もちろん、俺は生まれてこの方、雄々しく変化した一物を他人に触らせたことなど一度も無い。悲しきかなこらえ性のない俺の息子は限界寸前だった。もう一度撫でられるだけで暴発してしまうだろう。




2.『ぶっ飛んだ文章を書きたかったけど諦めた』



 例えばの話、今、教室で勉学に励んでいる俺が奇声を上げながら席を立ち素晴らしい速さで下半身を露出したらどうなるだろうか。教室内は阿鼻叫喚の地獄絵図、変態はこの時代になってようやくここまで極められたかと尊敬の眼差しを向られること間違いない。この俺こそが平成のダックスフンド、座高101センチから織り成される地面スレスレ放送コードスレスレの芸術的位置に光臨せしは堂々とした姿を晒す仮性包茎。そんな名乗り口上を吐き出しながら未だ呆然としている物理教諭に詰め寄り“私の息子は重力の影響を受けている。然り、ニュートンが言う重力とやらは地球上にいる限り逃れられないのだろう。だが、今この瞬間に限り、息子は重力から、地球から解放されたのだ”と先程と違って天を貫くかのように空を仰ぐ息子を白衣にこれでもかと押し付けまくる。さすがは俺の息子というかなんというか“俺のリロードはレボリューションどころかラグナロク《神々の黄昏》を起こす”とか言っちゃいそうな顔というか亀頭を膨らませたかと思うと時間にして四秒の早業でスプラッシュしてみせた。続いて騒ぎを聞きつけたガチムチ体育教師が俺の股間を見て赤面、こりゃあやばいと俺は別のスライド式扉から飛び出してその勢いで世界を文字通り股にかける





3.『途中でエロゲー始めちゃった』




 思い返すのは、今でも鮮やかに記憶に残る残暑の日。アブラゼミの耳障りな鳴き声なんてどこ吹く風、叔父さんは知ったこっちゃないと言った風に縁側で寝そべりながら、左手首につけた腕時計を弄っていた。
 十何年も前、まだ幼かった頃。見たことのない物全てに興味を覚える年頃だった私は、例に漏れず叔父さんがつけている時計に目を奪われた。
「ねえおっちゃん、それなに?」
「なんだい、結局呼び方はおっちゃんで定着してしまったのか。まだそんな歳でもないんだがねえ」
 意識を時計から私に向けた叔父さんは、のそのそと面倒くさそうに上体を起こす。
 お盆休みだった。父とその弟、叔父さんは田舎にある実家に帰って来ていて、必然的に娘である私も来ていて。あまり親戚とは面識がなかった私は最初こそ叔父さんと距離を置いていたものの、三日も経たない内にその子供心を刺激する不思議な叔父さんの魅力の虜になってしまい、大好きな人の内の一人となった。それは今でも変わらない。
 私は目を輝かせながら叔父さんの腕時計に視線を這わせる。……今思えば腕時計なんか、と思う。けれども、当時にしてみればつけている人によって形の変わるそれは大変興味を惹かれるものであり。
 私の言うそれが何なのか悟ってくれたのだろう、叔父さんは“これかい?”なんて言いながら私の目の前まで手首につけたままの時計を差し出した。……幼かったと言っても、時計が何なのかはわかっていた。叔父さんの時計は物腰の柔らい人柄に相まって、薄い茶色の皮ベルトが目立つというどこにでもあるような時計だった。たった一つ、盤面を除いて。
 初めて見た時、私は首を傾げるしかなかった。なんせその時計、秒針が普通の二倍程度の速さで目まぐるしく回り、





4.『短すぎて死亡』




「なあ、暇だから言葉狩りしようぜ!」
「モンハンより楽しいならやる」
「マジ楽しいから! 今から俺がお前のやる行動を表す言葉を狩るから、狩られたらお前は別のことしなきゃダメだぞ! 言葉狩れなくなったら俺の負け、狩られまくってすることが思いつかなくなったらお前の負けな! とりあえずそのモンハンを言葉狩るわ!」
「……モンスターハンター楽しいです」
「モンスターハンターも狩る! 狩る狩る狩る!」
「えむえいち楽しいよな」
「MHもmhもえむえいちもエムエイチも全部狩った!」
「略してスターターが楽しすぎて言葉狩りどころじゃない」
「スターターってなんだよ! モン、あ、うん。その略し方卑怯だろ! スターターも狩るわ!!」
「このゲームおもしれー」
「あああああああゲームも狩るよおおおおおおお」
「やっぱPSP最強だな」
「PSPとかピーエスピーとかポータブルとかもう狩ったからな!」
「じゃあ箱○をしよう。グランドセフトオートまじやべえわ」
「箱○狩った! グランドセフトオート狩った!」
「なんだ、ほにゃららができないじゃないか」
「ほにゃららとか卑怯だから! ほにゃららも狩る!」
「……俺も言葉狩りしようかな。言葉狩りを狩りました」
「え? あ、狩られた? え? どうしよう」
「G2ndやろうぜ」
「オッケー!!」





5.『大富豪かなんかで負けてFT書こうと思ったら半年くらい経ってた』




 円を象る空を、重く深い闇が覆っていた。すぐにでも落ちてくるだろうと錯覚させるような重さ、蟲の鳴き声一つ漏らすまいとするような深さ。
 そんな息苦しい空気が漂う地の上で、目まぐるしく動いている影が二つ。一人は小柄な女、この地においては異色となる装束に身を包んでいる。女が“何か”と接触するたびに、無色の光が瞬く。……その光に誘われ煌く銀髪をなびかせている男がもう一人。長身に合わせるように伸びた長い銀髪を揺らし、“何か”を掴んでは千切る、の動作を繰り返している。
「シノ、悪いがコイツは食えねえ。見た目もさながら、まるで食欲が沸かねえ」
「しかし、“これ”が穢れであることは私の体を以って証明されている。いつも通り食べろ、ボルク」
 シィ、と。ボルクと呼ばれた男の口から息が漏れる。先程から途絶えることなく伸びてくる“腕”を再度、渾身の力で握り、千切る。そのまま口に腕を持っていくが、舌に届かない内に地面へ放り捨てる。
 それを見た女――シノは呆れたように胸元から札を取り出すと、可聴域寸前の声で呪を呟く。その身に穢れたる荒魂を宿すもの、そのことごとくに効果を発揮する札は、はてさて、“何か”に張り付いたはいいが何の反応も示さない。
「……でたらめだ」
「おいおい、効かなかったからって俺を睨むなよ。……しかしまあ、こいつは骨だな」
「そんなことは見ればわかる」
 二人は動きを止め、しばし“相手”を観察する。“それ”は、一目でわかるほどまでに現実離れしていた。
 OGREではない。OGREは人間を介することで、初めてその異常性を発揮する。人間の形すら保っていない“これ”に、OGREの介する余地があるとでもいうのだろうか。
 暗闇に紛れるほどまでにグロテスクな赤黒い表皮。中心の2mはあろう肉塊から、数十本の“腕”が伸びている。さらに、それらを千切ってもすぐさま再生するというおまけつき。本体であるだろうと推測される中心の肉塊へは、“腕”が邪魔して近づけない。
「いくら私が自動結界持ちであろうとも、相手が痛みを感じずに数で攻めてきたら、成す術がない」
「結界があろうが無かろうが関係なく近づけねえよ。どうすんだ、クソッ」





6.『マジキチな文章を書こうと思ったけど飽きた』




 ある日、ボクは携帯になって体を割られながら必死に電話をかけようと体を震わせていた。
 違う。本当は体を震わされていた。ボクが血涙を流しながら震えてるさまを次郎は笑いながら手に取ると、
 まるで赤子を抱くような優しさで僕を包み込み接吻を交わした。
 次郎は言った。
「君ってとてもファンタスティック。心がマジ刈る五秒前。いい」
 ボクはすごく悲しくなった。何故なら次郎はミミズだったからだ。
「次郎の口はとても魅力的だったけど、ボクは貴方の口が尻穴だったのかすら判別できないもの」
 次郎の尻穴は悲しく歪むと、そのまま接吻していないほうから地面に潜っていってしまった。やっぱり尻穴だったのだ。
 そんな様子を




7.『夢日記を書こうと思ったけど夢を見ない日が続いて忘れてた』


七月十二日

俺が見てた男:普通
近くに居た女:何故か薬漬け(銀色の大小様々な丸いカプセル・それを落としてしまった際、主人公が拾うのを手伝うことにより知り合う)

ある日目覚めたら真新しいビルに複数の人たちと一緒に集められる
斧(ハルバードっぽい)を持った老人と若い男に「薬を飲め」と半ば強制的に言われる(ここまでにかかった時間は約三日 この間にも会話やら何やらがあったけど思い出せない)
薬を一錠だけしか飲まなかった主人公に対し、何故かそれに気づいた老人が斧で切りつけようとするが、一緒に行動していた女の一声により何とか助かる
その世界は夢 普通の人間は絶対に気付かないよう出来てる
薬を飲まされた人達は三つの扉の前に移動させられる 薬を飲んだ人、言われた数よりも少ない数しか飲まなかった人 全く飲まなかった人 の三つ
(その間、斧を持った若い男のほうは、この世界が夢だと知り、自暴自棄になる 斧は主人公が持つ)
最初に薬を飲まなかった人が左の扉へ入れと言われたのだが、急に扉の向こう側へ行った人たちが狂う
(いきなり隣の人を殺したり、自分の手首を切ったり、“こちら側”へ連れ込もうと、薬を飲んだ人たちを連れ去ろうとしたり)
なんとか老人や女と協力して主人公は扉を閉める 意識がはっきりしていたにもかかわらず扉の向こう側に置いていかれた人は、しまった扉を開ける
しかし、その向こう側は知らない場所だった (現実だと思われる) それまで狂っていた人たちは、皆いっせいに倒れている 気絶しているのか死んでいるのかわからない
ここで終わった


七月十三日

唯一普通の女の子 洪水 赤髪
なよなよした教師 メガネ 茶髪 髪の先がカールしている 男の子を犯す変態 ↑に見られた
直後洪水警報と地震 学校崩れる 夕陽 ↑↑がやっぱり見捨てておけないと戻る 俺呆然 第三章
教室内浸水 溺れかけの↑を助ける 平手 逃げる間もなく↑↑が犯される 「出来る! 僕にも犯れる!! ふひゃはははは!!111」
↑↑、犯されながら呆ける 水が腰まで 気付いたら終わってた 背後から「アンサラー、グレイトウォール、スピリットオブマザーウィル」と叫びながら水面を叩いてはしゃぐ↑
カメラが教室から離れ、校舎から離れ、校舎を見下ろす形になり、一瞬にして三階くらいの高さの波が校舎に叩きつけられた 目が覚めた




8.『第三十六億とんで二回全宇宙弁当投げ大会 飽きた』



【大会当日の朝】
主人公「今日は待ちに待った弁当投げ大会! 地球代表として、頑張るぞ!」
母親「ところでお昼の弁当はちゃんと持ったかい?」
主人公「もちろんだとも! ぬかりは無い!」
母親(とうとう、この子も行ってしまうのね。……アナタ、どうかこの子を守ってあげてください)



【弁当投げ大会会場・アルペンスタジアム・司会席にて】
司会「やぁやぁやぁやぁ!! 今年もやってまいりました弁当投げ大会! 今回で三十六億とんで二回目となるわけですが、どうでしょう、今回の様子は。解説のキョルドメス星人さん?」
解説「フンチャラホフチャコヂヌシタプ。ラァァンブップ、ナットウダイスキケレモトトット」
通訳「今回も色々な星から選手が来ているわけですが、やはり、前回の優勝者であるゼットン選手に期待していますね」
司会「え? ナットウダイスキって何?」
解説「ナットウダイスキ」
通訳「……」
司会「え? なに? それなんて言ってるの? おい答えろよ。ちょっとマイク止めろ」



【選手控え室】
主人公「おいやべえなおいやべえ。たかが弁当投げに必死になりすぎだろこいつら」
異星人「グセあ$ニろ#し」
主人公「なんだよ」
異星人「ニろ#し」
主人公「こいつ……」
主人公(ライバル……!)




そもそも集めることが飽きた

       

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Neetsha