Neetel Inside 文芸新都
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人生の設計図が破れ始めたのは高校受験の時だった。
親の期待に応えようと死に物狂いで毎日勉強して、少しで頭を傾けてしまえば耳の穴から覚えた単語がぼろぼろと重力に流れるように零れそうな。ノウはこぼれちゃったんだけど。

1043。

掲示板に張られている紙にはその番号はなかった。
1043。
104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043。
あ?
足元には1043と書かれた紙が落ちる。風に落とされていく桜に埋まって笑顔で立ち去っていく奴らに踏まれる。
じゅけんをうけたときの隣のせきのやつはぼくをあざわらって親と手を繋いでどこかへいく。
あいつカンニングしてたのに、ぼくのかいとうをうつしてたのに、なんでなんでなんで何で!!! なんで? なんで? なんでなんだろう?
あいつがうかってぼくはおちた? なんで?
「春樹の頭の出来が悪かったからだよ。結局全部無意味だったんだから」
チャーリーは言う。
おやはないていた、なきたいのはぼくだっていうのに。
 そして僕は滑り止めだった高校に入った。落ちた時のあの時の親の顔を見ない為に、また無様にならない為だけに勉強に心を委ねていた。
だが、僕の人生設計図は日高秋人と会った所為で更にぐじゃぐじゃになってしまった。なおそうだなんて思わないほど壊れてしまった。壊れてるぐらいがちょうどいいって秋人は自慢気に言っていた。壊れてしまっていたら、戻せないけどいいのか?
とチャーリーに聞いても答えは返ってこなかった。
だって灰色だから。

       

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