Neetel Inside 文芸新都
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邪気眼使い集まれw

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 意識が、水底から浮き上がるようにはっきりとしていき、カーテンの隙間から漏れる太陽の光を受け止めた。

『朝~朝だよ~朝ごはん食べて学校いk』

 音声式の目覚ましをうるさく思い、乱暴に止める。
 まだ起きたくはないと、眠気の抜け切らない頭で体を起こそうと努力してみた。
 けれど、心地良い睡魔の誘惑にはなかなか勝てない。
「……あと五分」
 時計は出発時間の二十分前に設定してあるから、まだまだ余裕はある。
「昨日の戦いで、今日は特別疲れてるから~」
 邪気眼を使っての戦い。
 俺はいままで妄想の力でしかなかった、相手からエネルギーを吸収する異能を我が物にした。
 そして、敵だと指定された相手との突然の戦いが起こり、勝った。
 ああ、だから俺はいつも以上に疲れてしまっているのだ。
 昨日までのことを思い出し、もうちょっとだけ惰眠を貪ることにする。

「少しだけ、少しだけ」
 布団を抱き寄せ、言い訳を呟きながら、俺は見た。
 引き寄せた毛布の中から、つまり俺の寝ている横にマッパの幼女が寝ている。
「……え?」
 髪は脱色されたように真っ白で、肌は日焼けしたように黒く、顔立ちは整った可愛いというより、綺麗な子だ。
 歳の頃はまだ五~六歳、限られたロリコンのみが性欲を開放できる特殊な範囲の幼女である。
 生憎、この状況を喜べるほど俺もあっぱれな頭をしていない。
 そのため、この突然やってきた状況に、心臓を鷲掴みにされたような衝撃を受け、固まってしまった。
 これはいったい、なんだと、言うのだ?

「ん」
 ベットの上で一通り狼狽していうると、当の幼女が目を覚ます。
 その子は眠そうな目を擦りながら、俺の存在に気づき、ゆっくりと体を起こすと一声。



「あはようございました」
 そんなみょうちくりんな挨拶をしてきた。
 すぐに、言葉を返すことができない。
 理解の追いつかない頭は、この挨拶でさらにそのパフォーマンスを著しく下げられたからだ。
 なんで過去形なんだ?

       

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Neetsha