Neetel Inside 文芸新都
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邪気眼使い集まれw
教室(カオス)

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 ついに教室に入ろうとした時。
 クーが腹ばいに倒れたまま、こちらとじぃっと見ている光景が目に入った。
 さっきの奴らも一緒に視界に入ったが、絡み合ってるから無視する。

 周りの奴らは、幼女が廊下に寝そべっているというのに、奇異の目一つ向けない。
 邪気眼使いなんて、やはりそう多いもんじゃないということだろうか。
 そんな事実に、自分の特別性が証明された気がして、テンションが上がる。
 連れてきてはしまったが、この調子なら平然としてられそうだ。

「クー、こっちこい」
 少しは周りを気にしながら、小声で呼びかける。
「あなた様の命令なら、行きます」
 気づいたクーは、なぜかほふく前進をしながら近づいてきた。
 歩いてくりゃーいいのに、なんて思うものの、意外に早くやってきたので気にしない。
 気を取り直し、教室の扉を開けようと思った矢先。

「失礼つかまつる」
 ひっついてきたクーが、器用に俺の体を上ると、先ほどのように頭の上に寝そべる。
 どうやらそこが一番落ち着くようなので、そのままにさせておく。
 流石は妄想と言えるほど重さも感じないし、人から見えない訳でもないしね。
 見られたらなんて見られたで、なんて言われるか分かったものじゃないけどさ。
 そんなこと、クラスの中に俺以外の邪気眼使いがいない限り、関係ない話だ。
 遅刻しそうとか色々考えていたものの、案外普通に間に合った教室の扉を開け――
「なん……だと……?」
 俺は絶句した。

       

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