Neetel Inside 文芸新都
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「擦過傷に近い作家病」
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「早く書けよ。お前、もう10年近く放っておいてるだろう」
 頭上から声が降ってくる。いや、声ではないな罵声? 叱咤? 何でもいい。
「いやだ、眠い」
「じゃあ起きたらかけよ」
 どすどすと、声を掛けた奴は去っていく。んー。
「あのさあ」
「…ん?」
 のったりと体を起こし、服を整えつつ。目を擦り擦り。
「そんなに言うならもっと気にしてよ…」
「何だよ藪から棒に。あと、その乳仕舞え」
「零れてるんだよ。色々」
 だから正しているのだけれど。しかし、まぁ。そっぽを向く彼の横顔になんとなく愉快な気分が持ち上がってくる。
「そうだよ、零れてるんだよ。」
「零れてるよー」
 手を開いてぱーっと
「零さなくていい」
 真っ赤になってやんの。……あー顔アツー。

 と、このように自分の悩みさえキャラクタに代弁させることによって小説というのは簡単に書けるわけです。
 にもかかわらず、作者はどうしてエターを起してしまうのでしょうか。
 とあるエター中の作家『K』さんに話を伺ってみました。

『エターのつもりはない。いまだに僕の頭の中では、キャラクターたちが楽しそうに殺人事件を起こしている。何ならこの間はBBQに興じながらの殺人でした。あのトリックは痛快だったなあ!』
 とのこと。
 また付け加えるように
『今、書いている所のデータが100kbほどPCの故障で逝って、そこからふざけんなってキレてから偏執病は書けなくなった。わりと面白いネタだったのに。本当に10年たった今でも恨んでいる。また、【誰か】のほうも同じくPCが逝って最後の方まで300kbほど書いていたのに消えやがったからこれはマジに怒り散らかして書かなくなったとの事。ていうか、大体PCの保存が上手くいかなかったからエターになっている。正直全部PCのデータが壊れたせい。当時、本職の方もそれでだいぶ痛手を受けた。』
 と、冷や汗と共に語った。
 これからは書いていくんですか? という質問に対して。
『ほら、僕ってかまってちゃん的な作家でしょう? コメントよ、コメント。10件着いたら書きます(笑)』
 と、鼻くそをほじりながら。何ならそれを食べながら答えておりました。
 以上。近況報告でした。

       

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