Neetel Inside ニートノベル
表紙

汁汁汁廻戦
第一話 両面宿儺(ふたなりちんぽ)

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私の名前は虎杖悠(いたどりゆう)。

強すぎる性欲を持て余した女子高生。

見た男子が大体何部なのか分かる力を持っている。

好きなタイプはケツと金玉がでかすぎる野球部男子。

最近は、高い身体能力を生かして男子野球部に潜り込んでは汗を舐めたりなんだりをして退部になったり転校に追い込まれている。

地元ではとうとうゲートボールをするおじいさんすら私のことを警戒しだした。どうやら私のワクチンにだけGPSが混入されていたらしい。家を出るとアラートが鳴り出す。

「しょうがない。東京へ行こう。ハロウィンらしいから渋谷とか行ってみるか」

案の定渋谷はコスプレ姿の若き男女でいっぱいだった。

やはり都会の人は都会の顔という感じがする。

私は一目瞭然でソフト女子ってのがバレてしまうくらいにはソフト女子顔。

「はぁどこかに良い出会いはないか...naika MC」

気分が落ち込むと自然と地面ばかり見てしまう。

もし私が男だったら…下を向けばでっけぇでっけぇ自分のチンチンが視界に入ったはずなのに…

と思ったら地面に何やら紫色の木の棒のようなものが落ちている。

よく見たら指のような形だ。デザインが何となく禍々しく見え、良く出来た映画の小道具のように感じた。

「なんだこれ。ハロウィン仕様のディルドだろうか。やっぱ渋谷のギャルはエッチだなぁ」

収穫はないと思っていたがまさかこんな形でサッカー部男子と間接エッチできるとは。

タッパーに入れて意気揚々と帰ろうとしたところ。

「あの…ちょっとそこの人」

肩を叩かれた。

(なんだろう職質か…?)

振り返るとそこには恐らく卓球部かバトミントン部といった感じのツンツン髪のイケメン。

きっとチンチンは細いだろうがそんなこと関係なくなるくらい顔が良かった。

(ナンパだろうか…?)

「お兄さん、ナンパですか?」

「いえ、違います。実はこの辺りでこのくらいの棒のような物を落としたのですが」

お兄さんがその長さを両手の人差し指を使って表現した。

「それはもしかしてお兄さんの珍の長さということですか?」

「珍?…よく分からないですが多分違います。あの紫色の長い棒っていうか指のおもちゃみたいな…

「いや、やめだ」

「?」

「常識じゃ考えられないような呪力があるのがもう分かる。持ってるんだろ『宿儺の指(すくなのゆび)』を‼」

「いや知らないよそんなエグディルド」

「しらばっくれるなら仕方がない」

お兄さんがいやらしい手つきで自分の手をこねだした。

「もしかして火遁業火球の術?あーサスケのコスプレか。言われてみればそんな感じだわ」

「…手荒な真似はしたくなかったが『玉犬‼』」

お兄さんの足元から白と黒のイッヌが二匹飛び出してきた。

「犬!じゃあサスケじゃないや…結界師のやつか…?」

「玉犬が見える…ということはやはり一般人ではないな…」

「なるほどじゃあ私が時音ってことか…」

とりあえず路地裏に駆け込む。

「血気盛んなエッチ犬が二匹。獣姦込みの乱交パーティー…」

「元気いっぱいだなぁ。お互い」

(こいつまだ術式を見せていない。なんだこの余裕)

虎杖は玉犬たちから逃げるどころか室外機に腰掛け彼らを迎え入れるように手招きした。

「ごめんなぁ。おじさん、マーガリンは持ってるけどバターはないんだ。犬にマーガリン舐めさせるわけには行かないからね」

虎杖はさも当然のことのように真っ赤なパンティーを脱ぎ、堂々と股間を玉犬とお兄さんに見せつけた。

「しまった…痴女だ」


「ほら坊やたち。見なさいこれが天然のアワビだよぉ。
アワビは通称海のバターとも言うらしいからね。バター犬と洒落込みましょうや…」

「玉犬!見るな‼」

しかし玉犬たちも立派な雄犬。

女の股座には本能により視線が吸い寄せられてしまうのであった。

「犬とエッチなんかしたら病気になっちゃうかもしれない。でも私死んだじいちゃんに言われたんだ…」

「『お前はどうせ孤独死する』って…」

「孤独死するくらいなら私は獣姦乱交パーティー中に死にたい」

「畜生…ポーっとしやがって。もういい、『鵺』‼」

今度はお兄さんの足元からでかいフクロウみたいなやつが現れた。

「一時撤退して女の釘崎に頼もう」

鵺に掴まり飛んでいくお兄さん。

「待て‼」

虎杖も負けじと壁を伝い追いつこうとするが遥か彼方まで飛んで行ってしまう。

「クソ…ここまでかッ‼」

屋上からはどんどん遠のいていくフクロウとお兄さんが見えた。



「私にも何か…力があれば…」

「そうだ…‼」


タッパーからさっき拾った指のようなものを取り出す。

「あのお兄さん、このディルドを探してるみたいだったけど…もしかしてこれにものすごい力が秘められたりして…」

愛液で溢れ準備万端の股座に、禍々しい指をピタッと当てる。

「これが本当に呪いだったら死んじゃうかもしれない…でも私死んだじいちゃんに言われたんだ…」

「『死ね』って…」

「だったら私は悔いのないよう、正しく死にたい」

「物は試しだ…ええーいままよ‼」



(ここまでくれば安心だろう。そろそろ鵺を休ませよう。
嫌なもの見たな…玉犬たちを眺めて目の保養をしよう…)

「玉犬‼」

だいぶかわいい犬が二匹、影の中から再登場した。

「怖いもんみたなーよしよし…ん?どうした玉犬・黒」

まだひどくおびえた顔をし、激しい異臭を嗅いだ時の顔をしている。

何か来る…

遠くから何かがやってくる。
さっきの女だ…クソっ…何でここが分かった…

「…そう言えば、名前聞いてなかったね‼」

呪力のこもったパンチ…

「しまった…最悪の万が一が出た…‼」

「出た…?何が出た?ザーメンかな?おしっこかな?」

(コイツ…人格を乗っ取られていない…?いやどちらにせよ脅威には変わりない…)

「お前はもう…人間じゃない。呪術規定に基づき」

「お前を…呪いとして」

「祓う…‼」

       

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