Neetel Inside 文芸新都
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自信の無い君へ
ゴミ拾い

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中学の時、君はゴミを拾ってしまう自分に気がついた。
見つけたゴミを拾わないのは大罪だと考えたのかもしれない。

どうして自分だけが落ちたゴミに気づいてしまうのだろうと頭を悩ませていたことだろう。


ゴミを見つけてしまっても拾わないという選択肢があることに気がつくのは
もうすこし君が成長してからであった。


少ないながらの選択肢の中で編み出した解決策は「見つけないこと」。
自然と下を向く頻度が多くなった。
足元のゴミを拾うのと遠くのゴミを拾うのでは労力が違うのは火を見るより明らかである。


他の人々にはゴミを見つけてしまっても拾わない選択肢があることに気がつくのは
君がもうすこし成長してからであった。

そして人との繋がりが希薄であった君は、どうしてもその考えにはいたらなかったんだろう。



私から君へ。

誰かが蹴った雨受けのペットボトル。
混雑した駅の階段に落ちたハンカチ。
電車の座席の下に転がるビール缶。

そして風で倒れた将棋倒しの自転車を端から端まで直さなくて良い。



見つけてしまっても。
君は前を向いて。

その先にやれることがある。

       

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