今日の俺は近所の中古ゲーム屋を訪れていた。
目当ては18禁トレーディングカードゲーム「前戯王」のカードを見るためだ。
ティロリロリ〜ン♪
入店のチャイムが鳴る。
俺はなるだけ店員に注目されたくないタイプなので、スタコラサッサと店内奥のトレーディングカードが置いてあるコーナーへと向かった。
「むむ!魔法カード“強欲な種壺”と罠カード“性なる処女膜イヤ~ンフォース”が安い!買っておくか…」
デッキの必須パーツともいれるカードを数点手に取り、レジへと向かおうとしたその時…
ふとコーナーの端の方に置いてある見知らぬカードゲームに目を留めた。
パッケージには古き良きエロゲのような瞳の大きな美少女が描かれている…。
何故だろう? このカードから目を離せない。
まるで魂を鷲掴みされているかのような感覚に陥る。
「これ下さい!」
気が付くと俺は購入を決めていた。
帰宅後さっそく開封してみた。
「なるほど、なるほど……」
中にはカードに描かれた美少女達の生尻が立体的に浮き出ており、そのリアルさときたらもはや芸術品レベルといっても過言ではない。
早速使ってみることにする。
まずはお試しということで、一番手前にあった美春ちゃんのカードをお借りすることにした。
カードはそのまま使用するというのがコレクターとしてのマナーである。
ドキドキしながらカードのホログラフィックな生尻にチンポの先端をくっつける。
「うほっ!?」
思わず変な声が出てしまった。
「なんだろう…暖かさを感じる……まさか、このカード生きているのか?」
匂いも嗅いでみる。
「う~んいい香りだ。まさに女の子の甘い芳香といった感じだな」
〈トラップカード発動!〉
「くっ……なんだこれはっ……凄すぎるっ!」
気付けば俺は夢中になってカードにチンを擦り付けることで
チンライフ(チンコに備わっている生命力)がどんどん吸い取られて減っていってしまっていた。
「なんだ…おかしい…
腹が減る……くらくらする…そして幻覚が見えてきたぞ」
俺とチンコ美少女の尻、そして
いつしか最果ての地……エデンにたどり着いた前世の記憶が蘇ってきた。
「あぁ……そうだ。
俺…前世でも女体の誘惑に溺れて…
最後は追放されたんだっけ」
女の尻はいつも優しい。
志半ばで夢破れた時も
疲れてヘトヘトになった時も
上司に叱られて凹んだ時も
いつも女の尻は柔らかく俺を癒やしてくれたっけ。
ヒップ(Hip)が訛ってハッピー(Happy)という言葉になったように
女の尻には魂を救済してくれるパワーがあったんだ。
「情けない…俺は今回もここまでみてぇだ。神よ!!リザイン(投了)だ!
俺の負けです」
天を仰ぎ告げると
俺の魂は世田谷区の四畳半から
暗闇の虚空へと消え去った。