Neetel Inside ニートノベル
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地獄の沙汰も愛次第
【ある日のデトックス】

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交互浴…というものがある。
熱いお風呂と冷たい(ぬるい)風呂を交互に行き来することによって
血管の拡張と収縮を故意に繰り返させ
筋肉をほぐして老廃物をデトックスさせる入浴法だ。

私はその交互浴に目をつけた。

人間の身体のなかで
老廃物を直に排出する場所はどこか?

そう肛門である。


ならば肛門を直接温めたり冷やしたりすれば老廃物デトックスの恩恵を最大級に発揮出来るのではないか?

東大在学中の頭を使えば一瞬にして理解できた。

「さ〜て♥熱々のフランクフルトと冷たいアイスキャンディーを買ってきたぞ♥」

今から熱々のフランクフルトと
冷たいアイスキャンディーで肛門の血流を促進する。

ーーガチャ。
突然玄関の方から音がした。
どうやら母さんが帰ってきたようだ。

「ただいま〜」
マズイ!! 今の状況を見られたら確実に変な子扱いされる!!
私は慌てて脱ぎ捨ててあったショーツを手に取り急いで履いた。
なんとかギリギリ間に合ったみたいだ。
ホッとしたのも束の間のことだった。
突如としてリビングへと続く扉が開かれたのだ。
そこには買い物袋を抱えた母さんの姿が見えた。
「あら?真菜ちゃんまだ起きてたの?」
母さんは驚いた様子でこちらを見つめている。
ヤバイ!これは非常にマズイ状況だ!
こうなった以上言い訳をするしかない。

「あ、あのねお母さん、実は今日大学で出された課題が難しくって全然解けなくてそれで……」

しどろもどろになりながらも必死に弁明を試みた。

だが、そんな言葉などまるで聞いていないかのように母さんは無言のまま歩み寄ってきた。

そして次の瞬間……

パンッ!!! 乾いた音が響き渡った。

気がつくと私は頬を押さえながら床に転げ回っていた。
何が起きたのか分からず混乱していると 今度は胸ぐらを掴まれ強引に引き起こされた。

目の前には鬼のような形相の母さんがいた。
「あんたをみっともない色狂いに育てる為に大学行かしたんじゃないよ!!!」

激しい怒りで瞳に涙を貯めた母は
そのまま部屋を出ていった。

その日の夜、家族会議が行われた。
椅子に座らされ無言でいると
父と母がヒートアップして罵り合いを始めた。

もはや私の変態行為はただの皮切りで
互いに鬱憤をぶちまけ合い、人格否定と暴言のモラハラボクシングが始まっていた。

結局、この日の出来事がきっかけとなり
父と母は離婚。
真面目一辺倒に生きてきた父はアイドルオタクになり
母は大好きなスピリチュアル講師を見つけて今では月に一度は海外旅行に行き波動を高めている。

そして私も東大を中退し、現在はプロのアナニストとして肛門の素晴らしさについて布教している。

雨降って地固まる。

アナル交互浴は
家族の膿出し(デトックス)もしてくれたのだ。

       

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