Neetel Inside 文芸新都
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StrikeField
友人、回転、正気、回転。

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#03

元々彼とはよく一緒に登下校していたのだが、最近もっとよく話すようになった。
ただし話題といえば一つしかない。
「ところでさー、最近出たMP7って知ってる?」
「え、何それ?聞いたことはあんだけど」
僕らはハタから見れば変人達に見えるだろう。
まぁ、そりゃそうだ。なんてったって夢の中でどんな武器を使うか、
なんておかしな話をしていたら、気でも狂っているのではないだろうかと疑うだろう。
「昨日使ってた銃なんだけど、集弾性がやばいね。」
「ああ、思い出した、それSMGでしょ?
俺基本隠れて移動したりするから、遠距離からスナイプできる武器じゃないとなぁ」
「卑怯だろそれ」とか良いながら笑う俺。あっちも笑っている。
彼の名前は岡野太郎。俺はおっかーと呼ぶ。
「卑怯じゃねーよ(笑いながら言ってるが表情が少し怖い。目から殺気を感じる)、スナイプに興味ないの?」

スナイプ・・・か。
まだ少ししか手を出したことの無いジャンルだが、どうにも僕にはあいそうにない。
そもそもあの戦い方が好きではないし、そういうタイプになったとしても我慢強いほうではないから、
自分には圧倒的に向いていない仕事だろう。

「いややった事はあるけどさ、僕やっぱり支援するよりアサルター(突撃する人の事。)だから・・・」

そんな会話をしながら、僕らは学校へと向かい、変わらぬ一日を過ごした。
そしてまた変わらぬ帰り道を過ごした。同じような会話で。

僕らの夜<戦い>の時間がやってくる。
僕はいつものように勉強を終えると、
寝る支度をした。ペンとノートを机に下から上に弱めに投げ、
それでも机の上にある鉛筆削りに当たってしまった事を無視し、
ベッドにゆっくりと入った。クーラーの準備は万端なようで、
寝る時間分のタイマーをセット済みだ。

今日返してもらったヒドいテストの裏を再利用してある紙を
枕元に置き、目覚まし時計をセットする。



「・・・。」
ここは・・・ビルか。それもかなりの高層ビル。
そして周りを見渡す。すでに周りにいるという事と服装が同じという事から、
おそらくこの人達は味方であるのだろう。
「・・・。」
今回に限った事ではないが、口数なんてほとんどない。
このゲームじゃ銃弾だけが言葉の一つ一つなのだろう。
ゆっくりと頭の中からMP7を思い出す。

完璧だ。昨日は欠けていたスコープの部分もしっかり出来ている。

そのとき頭に何かが響いた。
「ゲームタイプ:チーム・デスマッチ」
足元に文字が表示される。
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