『アタック・オブ・ザ・キラートマト』の派生映画は大量に作られた(そもそも『トマト』自体がヒッチコックの『鳥 ※1』の派生を自称しているのだが)。『キラー・コンドーム』もその一つだ。
『キラー・コンドーム』はその名の通り、牙の生えたコンドームが男のチンポを襲うだけの映画だ。バカ映画ながら案外手堅く作られており、クリーチャーデザインを『エイリアン ※2』の「H・R・ギーガー」が手掛けている。コンドームに牙が生えているだけなので、果たしてギーガーを起用する意味はあったのかという謎は残るが、こういうのはネームバリューが大切なのだ。「あの○○の製作スタッフが贈る」という文言に何度騙されてきたことか……。
話の筋もバカ映画らしく、フックが多い。主人公は32cmのデカチンを持つゲイの刑事だ。男娼を連れてホテルに入ったところ、殺人コンドームに襲われ、間一髪、片タマを食われるだけで済む(結構平然としているが片タマでも食われようものなら、大層なことだと思うのだが)。男娼は、刑事の玉を襲ったと無実の罪を着せられてしまい、刑事は男娼の無実を晴らすために殺人コンドームの謎を追っていく……ハードボイルド・ホラー・コメディである。そんなジャンルは、この映画でしか聞いたことがないが。
私は初見時、既にクソ映画に脳を侵されていたため、妙に真面目に作られたこの映画はイマイチ肌に合わなかった。今回、再見してみると、序盤はテンポもよく案外悪くない。中盤ごろから112分という、この手の映画にしては長い上映時間が足を引っ張り、後半の殺人コンドームを置き去りにした話の展開に、すっかり船を漕がされ、気が付けばSFCのスーパーボンバーマンシリーズのような、イントロのエンディングが流れていた。そのせいで、3度ほど後半を見返すことになった。
人生でこんなにこの映画に時間を費やすことになるとは、そちらの方がよっぽどホラーである。
私は妙な映画を観た!!
キラーコンドームの恐怖
※1 鳥
監督:アルフレッド・ヒッチコック
大量の鳥が人を襲う、アニマルパニック系映画の原点。
※2 エイリアン
監督:リドリー・スコット
宇宙船「ノストロモ号」の乗組員が、船内に潜む「エイリアン」に襲われるSFホラー。
監督:アルフレッド・ヒッチコック
大量の鳥が人を襲う、アニマルパニック系映画の原点。
※2 エイリアン
監督:リドリー・スコット
宇宙船「ノストロモ号」の乗組員が、船内に潜む「エイリアン」に襲われるSFホラー。