Neetel Inside 文芸新都
表紙

サジ投げ短編集
漫画狂A

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 「おう、新作できたぜ。お前に読者一号にしてやるぜ。」
まただ。もう勘弁して欲しい。もう僕に宇宙レヴェルの電波を押し付けないでくれ!
たが、そう言えるワケなくついニッコリしてA君の新作漫画を受け取ってしまった。

 前にA君が漫画を描いているところを偶然通りかかり見せて欲しいと言ったことが
失敗で1週間もの間に2~3作品描いては僕に感想を求める。その目はきらきらと輝
いており、体中からは気持ち悪いぐらいに光を放っている様にも見えた。中学に入っ
てからか特定の読者がいなくなったらしく現時点での定期読者は僕一人。彼の所属す
る漫画研究部の仲間すら見放されつつあるひどい状況。部員達にA君について聞いてみた。
部長 「あぁ、彼はこの部を維持するための必要な頭数だ」
部員1「彼の入れてくれるお茶おいしいよね」
部員2「不愉快。実に不愉快だ。そのチンパンの事なら他の者に聞いとくれ」
部員3「いや~ゲーム貸してくれるから全然ネーム進まねぇwwww」
部員4「…誰?」
僕は確かにこの部員達に対して“A君の漫画についてとアドバイスの出し方”を聞いた
ハズだ。なのに漫画に対しては一切ノータッチ。あんまりしつこく尋ねると部員4が
立ち上がりそっと僕にライターを渡した。そして、部員4は「 燃 や せ 」と
耳もとで実に冷静な声で囁いた。後の調査でA君の部においての存在理由は買出し時
におけるお財布係であった。A君の情熱をうまく利用したとも言うべきか常識を超えた
いじめ。部の意見はあんなひどいものを週に何回も見せ付けられているんだ!これは
賃金を受け取るに値する。めちゃくちゃだ。たしかにひどい。ぶっちゃけ僕も読んだ
事に対しての賃金ほしい。ずるい!うらやましすぎる。だが、一番理解のある人達から
見放されたA君を見捨てることができず僕は作品を読み続けている。なんて不幸なんだ。
とりあえず、作品を見ることにした。


タイトル:レッドsky
~あらすじ~
・戦争は起こった。全世界を巻き込んだ終焉の宴が始まった。国家は滅び、いくつもの
独裁者が現れそれぞれが支配者となるべく戦いを続けていた。その中で今もっとも勢力
がある国。ジェストーチ・ヤンデール帝国。ジェストーチとは現地語で中心・核。そして、
ヤンデールとは主の名。通称、president of earth(地球大統領)ヤンデールが収める
軍事国家である。舞台はヤンデールの領地であるかつてニッポンと呼ばれた島から始まる。
現在、この島は超超大型奴隷及び囚人強制収用所として扱われている。日々生産の重労働。
そこに嫌気が差しもっと世界を目指すと誓った少年カスターの物語…。

と読む前に丁寧に口で説明してくれた。もう頭が痛い。今回まだ本編始まってないのに頭痛。
こんなの読んだら精神汚染確実である。すると説明で時間をくったらしく昼休み終了のチャイム
がなる。命拾い。かなり失礼だが何度でも言おう。命拾いした。「おぉもうおしまいか」と
残念そうなA君。「じゃまた放課後。」僕の地獄は終わらない。          

(続くかも)

       

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