Neetel Inside 文芸新都
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平成怪談
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 12月2日 午後5時28分 香川県××市×町・四国電力ビル付近のローソンにて
コーデュロイのジャケットに黒のズボンを履いた170cmほどの老人を見つける
自分の見ている前でシックの剃刀の替え刃・日清・江戸そば(カレー南蛮味)・
男性誌二冊をへいきな顔でジャケットの中に押し込んでいる
 盗むだけ盗んだところで店を出ようとする。その際自分とすれ違ったが、老人の
眼球には白目がなかった。


     

 天井のしみを見つめる
 老婆の顔が浮き上がる

 涙がとまらない


     

 地下道へ自転車で入ると
 壁にむかってぶつぶつ言っている男がいた
 きみがわるいな
 と
 思ってさっさと横を通り過ぎる

 地下道から出る際
 別の出口/入口で
 別の男が壁にむかってぶつぶつ言っていた


     

実験……

タテ120~150cm
ヨコ70~100cmほどの
姿見を用意し
体力の限界まで自分を見つめること
限界の限界まで追い詰められてくると、
鏡が油断し、



※椅子を使わず、立った姿勢で行うと、体力の限界がくるのが早まるので良い



     

高知県・某中学校

「お前らたいがいにしろ」
 教師は叫んだ。しかし生徒たちは騒ぐのをやめない。ある生徒は眠り、雑誌を読み、
携帯電話をいじり、談話し、ものを食い。教室の後方では四、五名の男子生徒が
相撲の真似事のようなことに興じていた。げらげらげら。
学び舎は癲狂院と化していた。
「黙れ黙らんか」
 教師は怒鳴った。しかしそれすらも若い狂人たちの荒波のような喧騒にいっしゅんで
飲み込まれる。げらげらげら。
「授業を何だと思っている」
 いよいよ教師は教壇から降り、手近にいる騒がしい生徒の頬に張り手を食らわした。
しかし張り手は生徒の頬ではでな肉打つ音を立てず、あたかも煙をつかむようにすり
抜けた。
 ぽかんと口を開けた教師に、生徒は怪訝そうな顔で言う。

「むだなまねはよしましょうよ、先生はもう死んでるんだから」

 教師は強いめまいに襲われた。そのさなかで

「死んでいるのはお前のほうだ」

 とうっすら考えていた。



     

※女性の方ご用心!貴女です、貴女のことです

 23時18分・23時56分・24時1分・24時39分
 これらの時間中、夜道で群青色のフードつきジャンパーを被った人間がいたら
 迷わず逃げることです
 もし目線が会えば、しにます
 なにをやってもだめです
 しにます









       

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