Neetel Inside 文芸新都
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神様ゲーム
第一話「神様ゲーム」

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第一話「神様ゲーム」-1-
 食パンを口に銜えながらテレビの電源を点け、まだ覚めない頭を起こそうと必死になって
ついていたニュースに頭をやる暗嚇 乃亞(あんかく のあ)。
 ニュースは朝の目覚めには気分が悪くなりそうなものだった。
『昨夜未明新都社市新都社高校で、2体目と思われる謎の死体が発見されました。』
 報道されていたのは乃亞の通う高校の新都社高校だった。
「ん!ここってうちの高校じゃん」
 気付いた乃亞は、驚いたと言うより、少し引き気味だった。自分の高校で死体など発見さ
れて興奮するものなど居ないはずである。
『被害者は新都社高校の1年4組「     」さんです。遺体には目がなく、調べによりま
すと脳と臓器も無かったそうです』
 ゾクッ
 当然そんなニュースを、しかも自分の高校の事で教えられては、気分が悪くなって当然で
ある。
 少し身震いをさせながらもテレビの電源を消し、すぐ近くにおいてあったスクールバッグ
を背負った。
「やだねー、全く悪趣味な奴がいたもんだ・・・」
 そう言いながら家を出、ドアの鍵を閉めた。
 ガチャ
 鍵を閉め、玄関から離れていったのを確認したのか、階段のあるドア越しに隠れていた謎
の男が姿を現す。
 その謎の男は、乃亞に気付かれないような怪しい行動をとっていた。
 姿は、顔以外の全身が隠れるほどのマントを着込むという奇抜なもので、髪は白髪で、右
半分の下が黒の片目が隠れるほどの長さという、兎に角謎だらけの男だった。
 そんな男に見られていることも知らずに乃亞は学校へと向かった。

       

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