Neetel Inside 文芸新都
表紙

受け継がれる想い〜again〜
第2話〜不穏な異変〜

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目が覚め、窓から外を見ると太陽が燦燦と輝いていた。あーいい天気、ってそれどころじゃない!
「寝過ごした……!」
ガルフはベットから飛び降りて冷蔵庫に向う。
冷蔵庫をあけ、中からおもむろに牛乳を取り出しコップに注ぐ。それを一気に飲み干し机のパンをとり食べる。
パンを食べ終えると急いで部屋を飛び出し、扉の鍵を閉めた。そして、いつものように道場に向かい、走り出した。
その途中に、空き地から音が聞こえた。魔法の爆発音か? ガルフは遅刻しているから気にはしないはずだった。――いつもは。
けど今日は何か気になった。少しだけのぞいて見ることにした。
広い空き地の真ん中に男が一人、座っていた。……見た事の無い人だな。
ガルフは何故か気になり男に近寄った。男はこちらを見るとすぐに立ち上がり、質問してきた。
「すまないけど、今は2177年だよね?」
ガルフは変な質問に、笑いそうになった。
「そうだけど、あんただれ?」
男の格好を見ていった。男は100年ぐらい前の人が着ていたような服装をしていた。
「僕は……あ、あ、ああ! 無い!」
男はポケットをひっくり返して何かを探している。ガルフはこれ以上付き合ってられないと思い、踵を返した。
「落としたのかな? あっ! 君」
ガルフは立ち止まる、ガルフは立ち止まって、振り返ると何ですか?と問いかけた。
「丸い腕輪を見なかったですか?」
ガルフは「見てない」と短く答え、また道場に向かい急いだ。

なにやら道場の前がいつもより騒がしかった。急いで橋を渡り道場へ走る。
誰かの叫び声が聞こえる。道場の前に人の集まりが出来ていた。
人ごみを押しのけて前へでる。すると、ルオ先生が手に剣を持って、生徒を襲っていた。
キリタ先生とカルリ先生は残りの生徒を非難させていた。
「キリタ先生! カルリ先生! あれは?」
キリタはガルフを見て安堵の表情をする。カルリと目を合わせてうなずきガルフに何があったのかを話した。
「実はさっきな……」

――過去(5分前)――
「今日もガルフは遅刻か……」
「先生。5回目だから今日でトイレ掃除だよ」
「本当だな、 さぁー練習だみんな……」
急にルオはその場に倒れこむ。キリタは駆け寄り身体を起こす。
「大丈夫か? ルオさん」
「カルリさん、ガルフを宜しくお願い……」
ルオはいきなりカルリを押しのけて立ち上がり、壁にかけてあった剣と短剣を持ち短剣を懐にしまう。
剣を鞘から抜き、振り回す。カルリは鋭く睨み付ける。
「ルオさん! どうしたんですか……あっ」
ルオの額に黒魔術の印があった。一目見て気づく。――操られている

「ルオは操られているんだ、何者かに」
ガルフは唇をかみ締め、ルオの元へ走る。カルリが呼び止めるが聞こえない。
「ルオ先生……どうしたんですか?」
ルオは一人斬り振り向いた。顔に血が付いていた。冷たい笑み、鋭いまなざし。
ガルフはプレッシャーをひしひし感じた。足が少し震えている。
先生のこんな表情見た事がない。背筋に寒さを感じて、震える。
ルオは剣をガルフに向けて、馬鹿にするように笑いとばす。
「真剣を持った事も無い奴が。帰れ」
本当は逃げ出したい。ガルフはルオに叫ぶ。
「今日も稽古してくれるんじゃなかったのですか?」
「稽古したいのか?」
ルオは懐から短剣を取り出してガルフの目前に投げた。
「さぁ、剣を取り戦え。稽古をつけてやる」
「でも……」
ルオは冷たく微笑んだ。ガルフは恐怖を覚えた。今本気でこの人のことを怖いと思った。
「君は道場で2位なんだ。さぁ来なさい。稽古してあげるよ」
ガルフは短剣を見つめ、首を振る。キリタが叫ぶ。
「ガルフ! 今は剣を取って時間を稼いでくれ」
ガルフは仕方なく目前に落ちている、短剣を拾い鞘を払う。
「ルオ先生。稽古お願いします」

「あのぉ、どうなされたんですか?」
優しく心配する声が耳に届き、男は振り返り
「丸い腕輪を探しているんですけど……知らないですか?」
少し苦笑気味に話す男。立ち上がり服をはたく。
女性が不思議そうに見ていたから、とりあえず自己紹介をする。
「僕は、シフトっていうものです。あなたは?」
彼女はうなずき優しい口調で語る。
「私は、ホウレイといいます。あら? あなた。どこの方ですか?」
短く切ってあり明るい茶色の髪をふり、首をかしげる。瞳は優しくほのかに光る紫色をしていた。
シフトはさっきガルフが向った方に顔をやった。少し表情を変える。
「まさか……奴らが?」
シフトは自身の黒い目をホウレイに向ける。ホウレイは少し首を横に倒す。
「あなたも危ない。まずは確認しに行きましょう」
シフトはホウレイの手を取り、駆け出す。
「え? ちょっと……」

       

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