Neetel Inside ニートノベル
表紙

見開き   最大化      

 そして広い空間に吐き出された僕は目撃することになる。
 彼女はタイムパトロールに囲まれていて、そして、
「お疲れ様、DR02。君は用済みだ。スクラップになりなさい」
 タイムパトロール所所長の言葉と同時に、

 ――破壊された。

 抵抗しなかったということは覚悟はしていたのだろう。
 タイムパトロールの手に握られているおもちゃみたいなデザインの銃から吐き出されたいくつもの銃弾が彼女を貫き、彼女の体はまるで電気でも走ったみたいにブルブル震えていた。
 その度に体が削れて、小さな歯車や血液みたいな機械油と飛び散った。
 石ころ帽子で誰にも見つからなかった僕は、彼女を助けようと走ったけど、間に合わず、何もできず、そのうちに倒れこんで小さく痙攣する以外は動かなくなった彼女を、まるでそれこそ石ころでも見るように、タイムパトロール達が見下ろしていた。無造作にポケットをむしとって彼らが帰ったあと、僕はその残骸を抱き締めて、ただただ泣いた。
 泣いて、
 泣いて、泣いて、
 泣いて、泣いて、泣いて、
 泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、そして決めた。
 こんなことになるのならドラえもんは返さない。
 納得なんてしてやらない。
 そうだ。
 僕が、『未来』を、変えてやる。

       

表紙
Tweet

Neetsha