Neetel Inside 文芸新都
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Lei ed un cortile
ドライブ

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 お嬢様学校だって言うから、どいつもこいつもファックにも御の字をつけるような糞真面目かと思ったら、全然違った。

「サト遅れるわよ!」
「ごめんっ……」
「兄貴、早く車出して」
「ごめんなさい、お兄さん……」
「あー、別に――」
「良いって良いって、ウチの兄貴はいっつもヒマしてるんだから。ねー?」
「お前、送ってかないぞ」
「またまたぁ、そんな事言っても結局車出してるじゃん」
「……早く乗れ、お前ら」
 お前が寝坊したせいで俺は朝っぱらから叩き起こされて送迎バスしてる。
「サトちゃんも寝坊しないようにならなきゃねぇ」
「ごめんなさい……あ、でもお兄さんだっていつも寝てるじゃないですか?」
「俺はいいの」
「ニートだからね」
「ユキてめえ」
「サトご飯食べた?」
「食べてないよ?」
「駄目よ食べなきゃ」
「食べれないよ……ユキちゃん食べれる?」
「あたしは食べてるわよ、運転手ー、もっと飛ばせ」
「……お前らな……」

 しっかしアレだ、白川何とかも結構遠いな。こんなとこによく娘を通わせるわ、ウチのババアもサトちゃんちも。
 信号が赤になった。車は少ない。まあ、郊外だし朝は静かだな。こういう所をドライブしたら楽しいかもしれない。ガキ二人を下ろしたら帰り道は少し走ろうか――
「ヘイタクシーっ!」
 は? タクシー? 見やると、白川の制服を来た女の子が手を上げている。
「あっ……ユウちゃん!」
「何だ知り合いか?」
「ユウったら恥ずかしいわね……!」
 何がなんだかわからないうちに、その少女は助手席のドアを開けて乗り込んできた。
「お? 誰?」
「こっちの台詞だ」
「兄貴、こいつウチのクラスのユウ」
「沢井悠です。失礼ですがどちらさま?」
「ユウ、これがウチの兄貴」
「……兄貴です。何、要はお前ら知り合いな?」
「よし運ちゃん、悪いけど白川女學館までやってくれ」
「ユウちゃん、ユキちゃんのお兄さんに失礼だよ……」
「良いのよ別に、兄貴、青んなってるわよ! 急いで!」
 車を発進させる。助手席には無礼な少女、ユウが我が物顔で鎮座している。後部席にはサトちゃんとユキ。どう考えても目上の俺を舐めすぎだ。
 お嬢様学校だって言うから、真面目な子ばかりだと思っていた。
 現にサトちゃんは真面目だし、ウチの妹だって割と真面目な方だ。そこへきてこいつは何だ? これがお嬢様学校の生徒か?
「あ、運転手さんガム食べます?」
 ……わからん。

       

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