Neetel Inside 文芸新都
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the end of extreme
旧友

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この物語はある一人の冒険者の物語である。


・・・・暇だ・・・・・
冒頭でこんなこと言うのもなんだと思うが
最近暇で致し方ない。
そう、俺は冒険者だ。この間までゼル(この世界の通貨のこと。1ゼル約1.5円)もちょっとはあった。
あったってことは今は無一文ってことは分かるだろう。
俺は今、飲食店で昼食を採っている途中だ。
ハムサンドを食べている途中、他の客。冒険者らしき二人組みがこんなことを話していた。
冒険者A(以下A)「おい、こんな噂しってるか?」
冒険者B(以下B)「どんな噂だ?」
A「インカの洞窟でワイバーンが出たらしい。」
B「ワイバーンくらいならインカの洞窟にいるだろ。」
A「これがただのワイバーンとは話が違うんだよ。」
B「どういう風に違うんだ?」
A「片目に傷ができてるんだよ。」
B「傷ができていたら普通弱ってる証拠じゃないのか?」
A「これだけじゃないんだよ。なんと、鱗が黒いんだよ。」
B「冗談だろ?ワイバーンの鱗は普通、碧色なはずだ。」
A「これが本当なんだよ。今、冒険者のあいだで有名なんだ。」
B「ちょっと見てみたい物だな。」
A「やめとけ。そいつは鬼のように強いらしい。」
B「何で分かるんだ?」
A「物珍しさに見に行った上級冒険者が二人が殺られてる。」
B「上級冒険者を二人も殺るだと!?まるでワイバーンの強さじゃない・・・・」
A「だからこうして噂だけ流れているのさ。「隻眼のワイバーン」として。」
B「んじゃしかたないな。諦めるか。」
A「そうだなぁ。はぁ・・・暇だ・・・・・」
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ほぅ・・・面白い話を聞いたな。
ゼルもそこ尽きてきたし、その「隻眼のワイバーン」とやらも見てみたい。
俺は決意をし席を立って店を出た。
そう、「隻眼のワイバーン」を倒すために。
ああ、そういえば俺の名前を教えてなかったな。
俺は「レイヴン・クロウズ」だ。覚えておいてくれると嬉しい。





   ~第一章~  「旧友」 

店を出た俺は宿に向かって夜道を歩いていた。
夜なことは夜なのだが、そこまでに暗くはない。
なぜならここは都市。そう、大都市「ルガード」だからさ。
大都市と言うこともあって、この街の夜は多少うるさい。
飲んだ暮れや呼子、族に馬車の音と来るからもう、喧しくて仕方ない。
そして俺は宿に向かう途中色んな目にあった。
    ・
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飲んだ暮れ「お~いそこの兄ちゃん、ヒック 一緒に ウィ 酒飲まない?」
言葉が途切れ途切れだ・・・相当飲んだんだろう・・・
レイヴン「いえ、遠慮します・・」
飲んだ暮れ「そう ウック カテーこと フィック 言うなよ~」
レイヴン「いや、無一文な者でして・・」
飲んだ暮れ「なんでい!!ウィック 金がねーんなら ヒッ 近寄るんじゃねぃ!」
レイヴン「はぁ、スンマセン・・・・」
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これがまず一回目だ。一回目と言うことはまだ災難があることになる。
俺は飲んだ暮れから逃れ宿にやや急ぎ足で向かっている途中、
今度は呼子に遭遇した。
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    ・
呼子「はいよってらっしゃいみてらっしゃいーーーーー!!!」
レイヴン「・・・・・・」
俺はそのまま通りすがろうとすると・・・・・
呼子「おっ!!そこの兄ーさんかっこいいねっ!冒険者かい?
   今なら安いよ安いよ!!1分ポッキリ3000ゼルだよ!!」
レイヴン「金ないモンでして・・・」
呼子「そうかい??んじゃ金ができたら寄ってってくれよ!?」
レイヴン「はぁ・・考えておきます・・・」
などと俺は軽い嘘をつき、呼子から早足でと遠ざかった。

これはまだ二回目であり、災難はまだまだ続く。
     ・
     ・
     ・
俺は結構イライラしていた。用も無いのに呼び止める人が
嫌いだからである。
歩いている途中、目の前に喧しい集まりが寄って来た

族1「おうおうおう!そこの冒険者さんよぉ!俺らちっとばかし
   金がねーんだけどさぁ、金かしてくんねぇ?」
今時ベタな絡み方である。
レイヴン「貸すほどの金ないんで・・・・」
族2「持ってんだろぉ?かしてくれよぉ!」
レイヴン「スンマセン・・急いでるモンでして・・」
族3「待てよ!!逃げんなよなぁ。ちょっと遊んでこうぜ。な?」
レイヴン「・・・・・・」
俺は無視しそのまま宿に行こうとした。その時。
族3「無視すんじゃねーよっ!!」
その掛け声と共に族の拳が勢いよく飛んできた!!
  ガシッ
俺は族の拳をすかさず掴んだ。
族123「?!」
レイヴン「冒険者に喧嘩売るほどあんたら強いの?」
と言う威嚇交じりの言葉を投げかけると
族1「いこーぜ・・・・・」
族2「ああ・・」
族3「チッ、あーあつまんねぇーなー!!」
怖気ずいたのか族たちはそそくさに逃げていった。
俺は走り出した。もう絡まれるのはごめんだ。
などと思い走っていると大道路に出た。ここなら絡まれまい。
大道路に出ようとした所、いきなり馬車が飛び出してきた。
憲兵「待てぃ!!おい誰かそいつを捕まえてくれ!!」
どうやら泥棒を追っているらしい。まったく大都市だって言うのに
この街の治安はどうなっているんだか・・
俺は泥棒を捕まえても金にはならんと思い
自分の横を通りすがる泥棒を無視すると、
憲兵「おいお前!!何で捕まえなかったんだ!!」
と怒鳴る憲兵を無視しそのまま俺は宿に向かった。
憲兵なら自分で捕まえろ。根性なしが。
    ・
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    ・
色んな災難があったが俺は無事、宿にたどり着いた。
そして宿のドアを開け、宿のマスターに預けてある
部屋の鍵を貰おうとしていた。
マスターは何故かこちらをニヤニヤしながら見ている。気色悪い。
レイヴン「預けてあった鍵をくれ。302号室だ。」
マスター「あの娘かわいいねぇ、彼女?」
レイヴン「何のことだ?それより鍵を早くくれ。」
マスター「あの娘がもってるよ、大事にしてやんなよ。」
俺はそのまま部屋に向かった。
しかし俺には彼女なんていない。依頼か何か?
俺は部屋の前に立った。中には誰がいるんだろうか?
武器に手を掛けつつ、俺は部屋のドアを開けた。
     ・
     ・
     ・
なるほど、こういうことか。
中にいたのは俺の旧友、ティアス・レインだった。
ティアス「あっ!レイヴン!!久しぶりぃ~」
レイヴン「久方ぶりだな。ティアス。」
ティアスは列記とした男だ。しかしその余りの童顔、その余りの綺麗な声に
9割方女性と間違えられる。名前まで女みたいだ。
多分マスターも女と間違えたんだろう。
ティアス「今までなにしてたのー?」
レイヴン「まぁ、暇を持て余してたさ。」
そう答えるとティアスはこう聞いてきた。
ティアス「今も暇なの?」
レイヴン「いや、ちょっとばかし用ができた。」
ティアス「なーんだぁ、せっかく面白い話をもってきたのになぁ」
つまらなそうな顔をしてっティアスはいった。
レイヴン「どんな話だ?」
ティアス「「隻眼のワイバーン」ってしってる?」
レイヴン「!!」
俺は驚いた。俺の目的と同じだったからだ。
レイヴン「奇遇だな。俺もそいつを見に行こうと思っていた所だ。」
ティアス「そうなの!?いやー気が合うねぇ~」
満面の笑みでティアスは言った。こいつが笑うと本当の女に見える。
ティアス「一緒に行こうよ!!もっと人集めて!」
いい考えだな。しかし人が集まると金の割り分が減るので賛成できない。
レイヴン「いや、4.5人で十分だ。」
ティアス「そう?んじゃ一緒に集めようっ!!」
レイヴン「今からか?俺は眠たいから明日にしてくれ。」
ティアス「え~!?わかったよぅ・・・んじゃ明日またくるよ~」
レイヴン「ああ。」
そう言うとティアスは部屋を飛び出て階段を勢いよく駆け下りていった。
俺は フゥ とため息をつき、ベッドに転がり込んだ。
コートも脱がず、武器も外さぬまま俺は深い眠りに着いた・・・・・




 チュン  チュン  チュン
・・・小鳥が囀っている。もう朝か。
しかしまだ眠い・・・俺はもう一度眠りに着こうとした。
バンッっという音をたて、部屋の扉は強く開かれた。
そして聞き覚えのある声が聞こえてきた。
???「おっはよーっ!!あれ??まだ寝てるの~?」
そう言い声の主は俺の潜っているベッドの上に飛び乗ってきた。
???「お~き~ろ~!!朝だよ~ん」
レイヴン「・・・わかったから降りろ。」
???「は~い。ねぇ早く準備してよ。行くんでしょ?」
レイヴン「そう急かすなティアス。それよりお前、どうやって入ってきた?」
そう、声の主はとっくに気ずいているだろうと思うが昨日、俺の部屋にいた俺の旧友。
ティアス・レインである。

ティアス「どうやってって、ドア開きっぱなしなんだもん。」
レイヴン「・・お前がちゃんと閉めていかなかっただけだろう。」
ティアス「へへっ、バレタ?」
そう言いティアスは悪戯に笑った。
レイヴン「ふぅ、んじゃ行くかな。」
俺は部屋を出てマスターに鍵を返し、ゼルを払った。
マスター「5泊だから4000ゼルね。」
俺は金を払おうと雑具袋(冒険者の必需品、色々なものがはいる。)に手を入れた。
レイヴン「?・・・・??・・・・!!」
まずい。   財布がない。
俺は焦った。必死で雑具袋の中を手でかき回したが、やはり無い。
レイヴン「まずいぞ・・・・」
俺は小声で言った。
ティアス「どうしたの?」
声に気ずいたのかティアスが反応してきた。
レイヴン「財布が無い。」
マスターに聞こえない程度に俺は言った。
ティアス「心当たりはないの?」
レイヴン「・・・・・!!」
ティアス「わかった?」
レイヴン「・・昨日・・泥棒の横を通りすがったな・・・」
ティアス「じゃあその時盗られたんだよ。」
レイヴン「・・まずいな・・。」
ティアス「んじゃ僕が払ってあげる」
レイヴン「いいのか?」
ティアス「いいのいいの。でも貸しだよ?」
レイヴン「恩に着る。」
どうやら助かったらしい。それにしても財布を掏られるなんて・・とんだ災難だ・・



ティアスのおかげで宿をでた俺たちは近くのクラン(冒険者たちが立てた建物。色々な冒険者と情報、
依頼が集まっている場所。クランごとに名前、広さなどが違う。)を目指した。
     ・
     ・
     ・
ティアス「ねぇ。これから向かうクランってどんなとこ?」
レイヴン「クラン名は「ジャスト」だそうだ。けっこう小さなクランだが
     結構な冒険者が集まっているそうだ。」
ティアス「ふーん「ジャスト」かぁ・・・面白そうな所だねっ!」
レイヴン「好奇心旺盛なのはいいが、小さいクランほど危ないんだぞ」
ティアス「わかってる!!でも行ったことの無い所ってワクワクしない?」
それは俺も冒険者、探究心が栄えてるのは当たり前なのだが、危険な場所を好むやつはそういない。
レイヴン「一理あるが、用心はしろよ。」
ティアス「は~い」
そう話しながら歩いていると、すぐにクラン「ジャスト」にたどり着いた。
さぁ 仲間を集めようか。 俺たちの冒険の友、強力な味方、
 そう  「隻眼のワイバーン」猟討のための冒険者を

俺とティアスは探し始めた。  強いやつを見つけるために。





  ~第一章~  「旧友」 完




※設定用語

冒険者・・・・各地を転々と行き来し財宝を売って生きる職業。
       冒険者になるにはBSCKと言う施設で試験を行う必要がある。
       常に生死の淵に立つ職業で生半端な覚悟ではこの職にはなれない。
       元々は正式な職業ではなかったが世界には冒険者が大量に存在しているので
       政府はこれを仕方なく認め、かくして正式な職業となった。
       初級、中級、上級、とランク分けされており、ランクが高いと
       色々な人から依頼がもらえる。


ゼル・・・・・この世界の通貨のこと。1ゼル約1.5円でゼルム銅で作られていることから
       この名前か付いた。


インカの洞窟・ルガードの南東の外れにあるインカの森の洞窟。洞窟としては小規模だが
       列記としてモンスターが生存しているので、冒険者の良きもぐり場となっている。
       元々はインカ族という先住民かいたが、ルガード創立後場を追いやられたインカ族は
       森の各部分を行き来し、生活している。


クラン・・・・冒険者の溜まり場。色々な情報、冒険者、依頼が集まり冒険者の暇を潰している。
       クランは冒険者がBSCKに問い出て許可を貰い作る。許可を貰わず創立したクランを
       アウトクランと言う。


BSCK・・・冒険者支援管理局部の略。冒険者の様々なことを管理していて、冒険者になるのも
       ルガードにある本部に行かなくてはならない。
       









       

表紙

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Neetsha