Neetel Inside 文芸新都
表紙

改造人間タイガーバロン
その名はタイガーバロン

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1987年。
 僕は、はじめてヒーローを見た。
人々に襲い掛かる醜悪な怪人と、逃げ惑う人々に背を向けて果敢に立ち向かっていく怪人。
同じ怪人でも、僕は平和を守っているほうがかっこいいと思った。

1992年。
 保健室で読んだ本には、未来のことが書いてあった。
空飛ぶ自動車に、パイプラインで繋がれたビル、ビル、ビル。
なんでもこのパイプを通れば目的地にあっさりと到着するらしい。
それで未来人は、文明の発達により運動不足に陥り、
ハゲでヒョロヒョロの体になってしまうのだ。
僕は、来るべき21世紀に向けて、自分の髪の毛の心配をしていた。

1996年。
 1999年7の月、世界から恐怖の大王がやってくる。人類は滅亡する。そんな予言が流行っていた。
未来世紀を迎える前に、俺は死んでしまうのだろうか。
きっと、恐怖の大王というのは、子供の頃に見たような悪の大首領に間違いない。
いや、もしかするとなんとか星人が操る巨大な怪獣かもしれない。
あれこれと地球の未来を心配したが、答えが出てくるはずもなかった。
恐怖の大王が来たら、いっそのこと戦ってしまおう。
電磁波とかの影響で、パワーアップできるかもしれないし。



       

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